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リレー関連情報

2025年12月10日

【PhotoMOS®通信】DC専用のPhotoMOSリレーについて

PhotoMOSリレーは基本的にAC負荷、DC負荷のどちらでも使えることが特長の1つです。 しかし、一部のPhotoMOSリレーにはDC専用タイプがあります。 本記事では、DC専用タイプについて5つのセクションに分けて解説しています。

PhotoMOS通信-023-0

パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。

※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です。

 

はじめに

PhotoMOSリレーは基本的にAC負荷、DC負荷のどちらでも使えることが特長の1つです。
しかし、一部のPhotoMOSリレーにはDC専用タイプがあります。
本記事では、DC専用タイプについて5つのセクションに分けて解説します。

  • PhotoMOSリレーAC/DC兼用タイプとDC専用タイプ
  • PhotoMOSリレーに極性の有無が生じる理由
  • 極性の有無と具体的な極性の確認方法
  • もしDC専用PhotoMOSリレーの極性を間違えた場合どうなるか?
  • PhotoMOSリレーの入力側の極性について



PhotoMOSリレーAC/DC兼用タイプとDC専用タイプ

PhotoMOSリレーの出力は、次の2タイプに分けられます。

・AC/DC兼用PhotoMOSリレー(大部分のPhotoMOSリレーはこちらに該当します)
・DC専用タイプPhotoMOSリレー

AQZのDCとAC


AC/DC兼用PhotoMOSリレー
構成:MOSFETを2個搭載
極性なし

DC専用PhotoMOSリレー
構成:MOSFETを1個搭載
極性あり


PhotoMOSリレーに極性の有無が生じる理由

PhotoMOSリレーの出力部に使用されるMOSFETには構造上、ソース端子とドレイン端子との間に必ず寄生ダイオード(ボディダイオード)が形成されます。

寄生ダイオードAQZ

寄生ダイオードはオフ状態でも、ソース端子(3番ピン)からドレイン端子(4番ピン)への一方向(ダイオードの順方向)には電流が流れる特性があります。

そのため、MOSFETを1つだけ使用している1aタイプのDC専用PhotoMOSリレーでは、出力端子の極性を間違えて逆に接続すると、入力信号が入っていないリレーオフ時でも出力側に電流が流れてしまいます。
このことから、DC専用PhotoMOSリレーには極性があります。

ACDC

そして、MOSFETを2つ使用するAC/DC兼用PhotoMOSリレーでは、MOSFETのソース端子を共通にして直列接続しています。
このようにすることで、寄生ダイオードの影響を受けず、AC/DC兼用を実現しています。



極性の有無と具体的な極性の確認方法

極性の有無については、下記3つの方法で確認が可能です。

品番体系での判別
PhotoMOSリレーには品番体系があり、4桁目が「1」のシリーズ(例:AQZ1***)はDC専用タイプを示しています。

品番体型

データシートでの判別
データシート1ページ目の「分類」欄に「AC/DC」または「DC専用」などの表記があります。

データシート

スペック条件検索での判別
当社Webサイトのスペック条件検索にて「電圧タイプ」の項目からAC/DCまたはDCを選択できます。

スペック条件検索-1



具体的な極性(+ピン、-ピンは何番?)はデータシートの「内部ブロック図」と「端子結線図」を確認してください。

結線端子図

DC専用:4番ピンが+、6番ピンが-と記載があります。
AC/DC兼用:MOSFETを2個搭載し寄生ダイオードの影響が相殺されるため、極性がありません。

※負荷接続方法B、Cは負荷電流を増やすための接続方法のため、極性があります。詳しくはこちらのリンクをご確認ください

 


もしDC専用PhotoMOSリレーの極性を間違えた場合どうなるか

DC専用タイプを逆極性で接続すると、入力信号の有無にかかわらず、寄生ダイオードを経由して出力側に電流が流れ続けます。
その結果、意図しない動作、異常な発熱、最悪の場合は素子の破損や周辺回路へのダメージに至る恐れがあり、大変危険です。
設計・実装段階での極性確認を徹底し、試作・量産時にはオフ状態の漏れ電流(両極性方向)を評価して誤配線を未然に防止してください。



PhotoMOSリレーの入力側の極性について

電流駆動タイプのPhotoMOSリレーは、入力部にLEDを用いているため極性があります。
こちらについても、出力側と同様、データシートの「端子結線図」や「内部ブロック図」で確認可能です。

 


まとめ

PhotoMOSリレーの出力は、AC/DC兼用(極性なし)とDC専用(極性あり)の2タイプがあります。
違いはMOSFETの構成に起因し、DC専用は1個、AC/DC兼用は2個のMOSFETをソース共通で直列接続して寄生ダイオードの影響を相殺しています。


今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS®通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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