
パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。
※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です。
はじめに
PhotoMOSリレーを使用する際には、「入力制限抵抗」 が必要です。
本記事では、入力制限抵抗が必要な理由、選定時に考慮すべき「LED電圧降下」、
そして実際の選定方法について解説します。
入力制限抵抗が必要な理由
PhotoMOSリレーは、入力LEDに電流を流すことで動作する電流駆動タイプのリレーです。
電圧源で駆動する場合は、LED電流を調整するための入力制限抵抗が必要になります。
LED電圧降下の影響について
また抵抗値の算出では、LEDの電圧降下を必ず考慮してください。
LED電圧降下を無視すると、抵抗値が大きくなり、LED電流が不足して、正常に動作しない場合があります。
LED電圧降下とは、LEDに電流が流れた際にLED側に発生する電位差のことを指します。
入力回路を設計する際に、このLED電圧降下を考慮せずに入力制限抵抗を計算してしまうと
想定よりもLED電流が小さくなってしまい、正常に動作しない可能性が出てきます。
入力制限抵抗の計算方法
PhotoMOSリレー AQY212Sの場合、推奨動作条件のLED電流は 5 mA~30 mA となっていますので、推奨LED電流は5 mA以上必要です。
また、動作LED電流(オンに必要な電流)の最大値は 3 mA となっているため
LED電流が3 mA以下になると、正常に動作しない場合があります。
このLED電流値を決める入力制限抵抗の計算方法については、下記をご参考ください。
ここでは、LED電圧降下を考慮した正しい計算式と、考慮しなかった誤った計算式を比較しています。
計算式の正誤
正:R = (Vin − VF) / IF … LED電圧降下を考慮
誤:R = Vin / IF … LED電圧降下を無視
LED電圧降下 VFを考慮した場合のみ、AQY212Sに必要なLED電流が流れ正しく動作します。
このように、入力制限抵抗を計算する際は、LED電圧降下を考慮いただく必要があります。
まとめ
・PhotoMOSリレーを使用するには、入力制限抵抗が必要です
・抵抗値を選定する際は、LEDの電圧降下を考慮することが重要です
今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS®通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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