前回まで、周波数特性と時間軸特性の各用語を解説いたしました。伝送特性の基礎編、最後の仕上げとして、伝送特性を改善するために、必要な視点について解説します。
周波数特性・時間軸特性のそれぞれの用語はもうおなじみになってきましたね!それぞれ、どのようなものか、完璧にわかりますか?(わからない!という方は、前回・前々回をチェックしてくださいね)
これら周波数特性・時間軸特性は、すべて伝送する電気信号の波形に影響を及ぼすものでしたね。
質のよいデータ伝送実現には、周波数特性・時間軸特性、インピーダンス、それぞれを評価することが、ヒントになります。
というのも、これらは下図1のように相互関係があるためです。
- 以前、インピーダンスは伝送経路の信号の流れやすさだとお伝えしましたね。
このインピーダンスがずれると、下図のように、伝送経路に反射波が発生してしまいます。 -
- 反射波はリターンロス・クロストークの要因になる。
- リターンロス・クロストークが発生すると、伝送波形がへたる。
- 伝送波形がへたる=立ち上がり時間が変化=アイパターンが閉じる。
というように、これら3つは互いに影響しあっているのです。
そのため、周波数特性・時間軸特性・インピーダンスのずれ、それぞれを評価し、正常なデータ伝送が「どこで・どのくらい・どのように」阻害されているのか検証することが、高速伝送実現のカナメになります。
前回までご紹介した、Sパラメータ・アイパターン、そしてインピーダンス値のデータ、これらを使って多角的に伝送経路を評価しましょう。
当社では、コネクタでのこれらの評価結果をお客様のご要望に応じて、ご提供しています。お気軽に営業までお問い合わせください。
いかがでしたでしょうか。今回は、高速伝送を左右する伝送特性解説の最後のまとめとして、伝送特性評価に重要な視点を解説しました。ぜひ設計時にご活用ください。