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コネクタ関連情報

投稿日:2016年03月30日 / 更新日:2024年08月07日

高速伝送のカナメ 伝送特性入門② 時間軸特性編

時間軸特性の基本用語であるジッタ・スキューを、実際のアイパターンを用いながら解説します。

前回は伝送特性のうち、周波数特性について解説いたしましたが、今回は時間軸の伝送特性についてです。

伝送特性には、下図のように周波数特性と時間軸特性があることは前回お話しいたしました。

周波数特性 1インサーションロス 2リターンロス 3クロストーク 時間軸特性 4スキュー 5ジッタ

今回は④と⑤「時間軸特性」について、それぞれの用語を解説していきます。
これらも信号が正しく伝送できているかどうかを見る際に使います。

④スキュー
スキューとは、差動伝送で伝送しているペア信号同士の伝送時間のずれを示します。
下図1のように、信号がずれて伝わっている場合にスキューが発生しているといいます。
スキュー イメージ図 正しく伝送されている場合 スキューが発生した場合
このようなズレはデータ伝送時のエラー発生の原因になってしまいます。
スキューはエラーを発生させる原因に 正しく伝送されている場合 スキューが発生している場合
差動伝送のペア信号が統合された際、スキューが発生していると、伝送信号の一部分の電圧値が低くなってしまいます。
デジタル信号の伝送では、電圧値が「0」「1」どちらなのかを読み取って、データを伝えますので、このように電圧値が低いポイントがあるとデータを読み取ることができなくなるのです。
⑤ジッタ
ジッタとは、伝送信号の時間軸での揺らぎと定義されています。
言葉ではイメージがつきにくいですが、実際にデータでみると分かりやすくなります。
まずは下図をご覧ください。
これはアイパターンといい、デジタル伝送信号の波形を1ビットごと重ねたものです。
このうち、赤い矢印で示されている部分がジッタといわれます。つまり波形を重ねた際に、ずれた部分の幅です。
スキューはエラーを発生させる原因に 正しく伝送されている場合 スキューが発生している場合
デジタル信号の伝送では、カクカクした波形でデジタル信号の電圧「0」「1」を明確に伝えることが理想です。
ですが、実際はそんなきれいに伝送できることはほとんど無く、波形が緩やかになります。
波形が緩やかになるということは、すなわち「0」⇒「1」へ電圧が変動するのに時間がかかることになります。
この変動時間を「立ち上がり時間」と言います。
この立ち上がり時間の揺らぎが、すなわちジッタなのです。
ジッタが大きくなると、下図4のようにアイパターンの真ん中部分が閉じてゆきます。
このようにアイパターンが閉じてしまうと、信号の電圧が「0」なのか「1」なのか判定しづらくなってしまいます。
スキューはエラーを発生させる原因に 正しく伝送されている場合 スキューが発生している場合
パナソニックでは、これらのデータもお客様のご要望に応じてご提供しています。
お気軽に営業・コールセンターまでお問い合わせください。

いかがでしたでしょうか。
今回は信号伝送を評価する際にカナメとなる伝送特性のうち、「時間軸特性」について解説いたしました。前回とあわせ伝送特性の基礎用語をおさえていただきました。是非、今回の内容を設計時にご活用ください。

 

 

 

 

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