今回はアイパターンの読み取り方の基礎を解説します。伝送経路設計において、アイパターンを正しく読み取ることは、必要不可欠です。ぜひ、設計時にご活用ください。
設計に関わる方であれば、一度はこのアイパターンをご覧になったことがあるのではないでしょうか。
前回までの伝送特性編でも、すでにご紹介してきました。
アイパターンを使えば、伝送データの波形やスキュー・ジッタを、視覚的に確認することができます。すなわち、伝送データが正しく送られているのかどうかが目で見て分かるのです。
このアイパターンは、伝送信号を1ビットごとに切り、それらを重ねて作成します。(図1参照)
- このアイパターンで重要なのは、以下の3つです。
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- アイ部分の開き度合い(⑤・⑥)
- 立ち上がり時間(③・④)
- ジッタ(⑦)
※()内は上記図1内でそれぞれを示す数字
アイパターンでは、伝送特性の良し悪しは、アイ部分(真ん中の開口部分)の開き具合で分かります。
アイパターンが開いている=伝送特性が良い
アイパターンが閉じている=伝送特性が悪い
つまり、お目目ぱっちりアイパターンの時が、正しく伝送されている状態なのです。
以前の記事で、ジッタ・立ち上がり時間についてお話したのは、覚えていらっしゃるでしょうか。
立ち上がり時間とは、デジタル信号の電圧「0」⇒「1」への変動時間を指します。
ジッタとは、その立ち上がり時間の揺らぎのことです。
伝送信号の波形が変形してしまうと、立ち上がり時間が変化してしまうため、ジッタは大きくなり、アイパターンが閉じてしまいます。
アイパターンが閉じていると、電圧「0」「1」が正確に読みとれず、エラーが発生する可能性があります。
また、伝送規格によっては、規格を満たすために、アイパターンでマスクテストをクリアする必要があります。
下図3のように、規格によって定められたマスクの内部に、伝送波形が含まれないようにするのが、このマスクテストです。
パナソニックではお客様のご要望に応じ、コネクタのアイパターンをお渡しすることが可能です。お気軽に営業までお問い合わせください。
いかがでしたでしょうか。今回は、アイパターンの読み方についてまとめました。基礎的な内容ではありますが、このアイパターンは伝送信号評価では欠かすことのできない評価データです。ぜひ、設計時にご参考にしてみてください。