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リレー関連情報

2025年09月10日

【PhotoMOS®通信】リレーの近接取り付けで異常発熱!?知らずにやりがちな落とし穴とは

密集実装による“見えない熱リスク”とは?発熱部品の近接配置がリレーに与える影響や誤動作のリスクを解説。温度シミュレーションや設計時のチェックポイントで、信頼性を高めるための対策を紹介します。

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パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。

※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です。


はじめに:密集配置がもたらす“見えない熱リスク”

制御盤やプリント基板上の実装で、部品同士を密に配置するのはスペース効率の面では理想的ですが、その裏で見落とされがちなのが熱の影響です。

特に半導体リレーやパワーリレーなど発熱を伴う部品は、近接配置によって熱がこもり、異常発熱や誤動作、寿命の低下を引き起こす可能性があります。

今回は、リレーの近接取り付けによるリスクと対策について詳しく解説します。


なぜ近接取り付けが危険なのか? 

以下のような問題が想定されます:

  • 発熱部品が周囲温度を上昇させる
     例えば、電源モジュールやトランス、スイッチング素子などが近くにあると、リレーの周囲温度が想定以上に高くなります。

  • 熱の相互干渉が発生する
     複数のリレーや電子部品が発熱すると、互いに熱を持ち寄り、予期せぬ高温環境が局所的に発生します。

  • 設計値と実際の温度が大きく乖離する
     カタログスペック上では正常動作温度内でも、実使用環境では熱が逃げず、定格以上の温度上昇につながる恐れがあります。


現場でできる!リレー近接配置の3つのチェックポイント

  1. 発熱部品との距離を確保する
     電源ユニット、スイッチング素子、大電流配線などの熱源から、できる限り距離を取るように設計してください。

  2. 温度上昇のシミュレーションを行う
     実装密度や筐体内の通気性によって、実温度は大きく変わります。最悪条件(最大負荷・高温環境)での温度分布を確認しましょう。

  3. 負荷電流を抑えて運用する
     どうしても近接配置を避けられない場合は、負荷電流をスペック下限で使用することで、発熱量を抑えられます。

 

まとめ:熱対策の見直しが、リレーの信頼性を左右する

近接取り付けによる熱リスクは、単体ではなく周囲との組み合わせで発生する複合的な問題です。

リレーの性能を最大限に引き出すには、カタログ値だけに頼らず、実環境での熱検証と余裕ある設計が不可欠です。

 

今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS®通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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