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リレー関連情報

投稿日:2013年09月13日 / 更新日:2023年09月06日

SSRに内蔵されているスナバ回路の役割

SSRに内蔵されているスナバ回路について解説します。

お客様からいただいた質問をもとに、無接点形リレーであるSSR(ソリッドステートリレー)に内蔵されている、スナバ回路について解説をします。SSRを使用した回路を設計する際、スナバ回路を設ける必要になることも多いと思いますので、ぜひ理解を深めてください。

質問:SSRにはスナバ回路が内蔵されたものがありますが、これは何のためにあるのですか?内蔵されていないSSRの場合も、スナバ回路を追加しなくてはならないのでしょうか?

回答:スナバ回路は、SSR出力側への誘導ノイズ印加による誤動作を防ぐためのものです。当社製SSRの中で、AQ-Hシリーズにはスナバ回路が内蔵されていませんが、誘導負荷で使用される場合など、ノイズがSSRに印加される場合には、SSRの出力端子間にスナバ回路を追加することを推奨します。

スナバ回路という名称は、英語の「Snub(急停止)」からきています。名前の通り、電子回路のスイッチ開閉時に起こる、急激な電圧の上昇による誤動作を防ぐために設ける保護回路です。

誘導負荷での使用の場合、スイッチOFF時、電流に変化が起こることで電圧が急激に立ち上がり、誘導ノイズが発生します。この誘導ノイズによって、入力の有無と関係なくSSRの出力が導通してしまう誤動作を起こしてしまいます。
スナバ回路は、上記のような、誘導負荷を使用した時に発生する誘導ノイズの急激な立ち上がりをなまらせて、SSRが誤動作するのを防ぐ役割を果たしています。

図1は、SSRにスナバ回路を接続したものです。

20130913-1

この図からもわかるように、スナバ回路が内蔵されていないSSRに、お客様の基板上でスナバ回路を接続する際は、SSRの出力端子間に並列に接続して使用しますので、間違えないように注意してください。
また、スナバ回路の構成は、抵抗(R)とコンデンサ(C)を直列にした回路ですので、RCスナバ回路と呼ばれることもあります。

いかがでしたでしょうか?今回はSSRの「スナバ回路」について解説しました。
まとめとして、SSRにはスナバ回路が内蔵されているタイプと内蔵されていないタイプがあります。スナバ回路が内蔵されていないSSRを使用する際は、使用する負荷に応じて、必要であれば追加しましょう。回路設計を行う際には、スナバ回路をSSRの誤動作を防ぐ保護回路としてお考えください。

今回のキーワード

  • SSR:SSRとは「Solid State Relay(ソリッドステートリレー)」の略称です。無接点形の半導体リレーの一種で、入力側にLEDの発光半導体を用いており、出力側にトランジスタやトライアックなどの半導体素子を用いているため、高速の応答が可能です。
  • 保護回路:保護回路とは過電圧や過電流による素子の破損や誤作動を防ぐための回路のことです。
  • 誘導負荷:誘導負荷とはソレノイドやモーターなど、コイル成分をもった負荷のことです。
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