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リレー関連情報

2013年01月28日

SSRの保持電流とは?

SSRの保持電流についてとスナバ回路を用いるときの保持電流の考え方についてを解説します。

お客様からいただいた質問をもとに、今回は無接点形リレーであるSSR(ソリッドステートリレー)の保持電流について分かりやすく解説をしていきます。スナバ回路を用いるときの保持電流の考え方についてもお話ししますので、ぜひお役立てください。

質問:SSRの性能表に、保持電流というものがありました。保持電流とはいったい何なのでしょうか?

答え:保持電流とは、SSRの出力側をONさせたあと、出力側の半導体素子であるトライアックがON状態を維持するために最低限必要な負荷電流値のことです。この電流値以下になるとSSRが正常に動作しません。

1. 保持電流とは?

SSRに使用されている出力素子のトライアックは3端子の半導体で、ゲート端子に電流を流すことで端子間をON状態にできます。一度ON状態となったトライアックは、ゲート電流を止めてもある一定以上の電流が流れていればON状態を持続します。このON状態を維持するのに必要な電流のことを保持電流といいます。当社フォトトライアックカプラの場合は、最大3.5mA、AQ-Hシリーズの場合は最大25mAとなっておりますので、参考にしてください。

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2. スナバ回路を用いる場合

スナバ回路内蔵のSSRの場合には、スナバ回路による漏れ電流があるため、この保持電流の考え方はありません。スナバ回路とトライアックは並列接続されており、OFF時にトライアックに流れる漏れ電流よりスナバ回路に流れる電流のほうが充分に大きいので、OFF時の漏れ電流はスナバ回路の漏れ電流とみなすことができます。

SSRがOFF状態では、スナバ回路のインピーダンス(交流での抵抗値に相当します)と負荷のインピーダンスの比率でSSRと負荷に電圧が分圧されます。負荷のインピーダンスがスナバ回路と比較して十分小さい場合、すなわち負荷電流がSSRの漏れ電流と比較して十分大きい場合には実用上問題になりませんが、負荷電流が小さい場合は負荷に残留する電圧が大きくなり、SSRがOFFであるのに負荷が誤動作することがあります。この特性を踏まえ、負荷に並列にダミー抵抗を接続し、漏れ電流よりも負荷電流を大きくすることで負荷に残留する電圧を小さくし、負荷の誤動作を防ぎます。

いかがでしたでしょうか?今回は、保持電流についての解説と、スナバ回路を用いるときの動作原理と回路の応用についての解説をしました。ぜひ、回路設計の参考にしてください。

今回のキーワード

  • 負荷電流:負荷電流とは出力側に接続された負荷に流れる電流のことです。
  • サイリスタ:サイリスタとは直流電流を制御する3端子半導体スイッチング素子のことです。ゲート端子に信号を加えることで他の2端子間に電流を流せるようにしたものです。
  • トライアック:トライアックとは交流用の3端子半導体スイッチング素子であり、ゲート端子に信号を加えることで他の2端子間に双方向に電流を流せるようにしたものです。
  • スナバ回路:スナバ回路とは急激な電圧の変化を抑える回路であり、トランジスタ、サイリスタやトライアックの誤動作や破壊を防ぎます。

谷口

パナソニック株式会社制御機器コールセンター所属。久留米高専電気工学科卒業後、松下電工株式会社(現・パナソニック)へ入社。25年間の制御部品営業を経て現部署へ。 趣味:サイクリング、登山、マラソン、天体観測

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