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リレー関連情報

投稿日:2015年09月18日 / 更新日:2023年09月06日

SSR用語解説(出力編)

お客様から頂いた質問をもとに、今回はSSRの用語(出力編)について解説します。

お客様から頂いた質問をもとに、今回はSSRの用語(出力編)について解説します。

質問:SSRの用語について、カタログよりもう少し詳しい解説はありませんか?

答え:カタログ記載の用語解説に対し、その数値が持つ意味を付加して解説いたします。

① 最大許容負荷電流 

規定の冷却条件、周囲温度条件のもとでSSRの出力端子間に連続して流し得る最大電流値(絶対最大定格値)です。交流の場合は実効値で表わします。 値が大きいほど大電流を通電できますが、冷却(放熱)が重要となります。システム設計の際には、最大許容負荷電流値に対して十分なディレーティングを取った電流値での設計をお願い致します。

② 負荷電圧

SSRを正常に動作させるための出力側電源電圧範囲です。交流の場合は実効値で表わします。(PhotoMOSリレーの場合は絶対最大定格値を指しますので意味が異なります。ご注意ください)

③ サージオン電流

規定の冷却条件または、周囲温度条件のもとで流し得る非繰り返し性の最大電流で、一般には商用周波正弦波1サイクル電流の波高値で表わします。(図1)
 繰り返し突入電流が流れる場合は目安としてサージオン電流―通電時間グラフの50%以下の値に抑えるようにお願いします。

サージオン電流(最大値)

④ 開路時漏れ電流

入力操作電圧を印加しない状態において、SSRの出力端子間に規定の電源電圧を印加した時、出力側に流れる電流値です。SSRは入力側がオフ状態でも、出力側に電圧を印加するとわずかに電流が流れます。(図2)

開路時漏れ電流

⑤ 閉路時電圧降下

規定の入力操作電圧を印加し、SSRをONさせた状態において出力端子間に規定の負荷電流を流した時の電圧降下の値です。交流の場合は実効値で表わします。
例えばAC100V の電源と負荷を接続してSSRをONした場合、負荷の両端には電源電圧AC100VからSSR両端の閉路時電圧降下を差し引いた電圧が印加されます。(図3)

閉路時電圧降下

⑥ オン抵抗

出力端子に規定の連続負荷電流(IL)を流した時の出力端子間の抵抗値(Ron)。連続負荷電流(IL)と出力端子間の電圧降下VDS(on)より、次の式で求めます。Ron=VDS(on)/IL

⑦ 最小負荷電流

規定の温度条件のもとでSSRが正常に動作し得る最小の負荷電流値です。(図4)
交流の場合は実効値で表わします。規格以下の負荷を使用される場合は誤動作することがありますので、負荷に並列にダミー抵抗を入れてください。

最小負荷電流

⑧ ピーク繰り返しオフ電圧 (繰り返しピークオフ電圧)

出力端子間に連続して印加することのできる、繰り返し性のある電圧の最大値をいいます。一般に電源電圧の変動や開閉サージなどの異常電圧を考慮して負荷電圧AC100Vには耐圧400V以上、AC200~250Vには耐圧600V以上の素子を使用しています。

⑨ 臨界オフ電圧上昇率

SSRに立ち上がりが急峻なオフ電圧が加わると導通状態になる場合があり、これを一般にdv/dtターンオンといいます。(図5)このオフ状態から導通状態に移行することがない限界のオフ電圧上昇率のことです。
SSRがオフしている時に立ち上がりが急峻な電圧が印加されると、誤動作を起こす場合があります。(図5)
臨界オフ電圧上昇率とは、オフしている時に電圧を印加しても誤動作が起こらない単位時間当たりの電圧上昇の限界値です。

SSRの誤動作

⑩ 最大許容損失

出力端子間で許容しうる電力損失

いかがでしたでしょうか? 今回はSSRのカタログに使用されています用語の出力に関する部分について解説しました。是非SSR選定時の参考にしてください。

 

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