パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。
※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です。
PhotoMOSリレーを並列に接続して電流容量を増やせる?
回路の基本原理として、素子を並列に接続すると電流は分流されます。
例えば、2つの同じ抵抗を並列につなげば、それぞれの抵抗に流れる電流は理論上半分になります。この「並列接続=電流分担」という考え方から、PhotoMOSリレーでも同じことができるのでは?と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、当社ではその使用方法は推奨しておりません。
本記事ではその理由について説明していきますので、ご参考ください。
動作タイミング差により、瞬間的に一方にのみ電流が流れてしまう
並列接続した場合でも、PhotoMOSリレーごとにON/OFFのタイミングに微妙なズレが生じます。
片方のリレーが先にONすると、片方に一瞬だけ定格を超える電流が流れてしまいます。この瞬間的な過電流により、リレーの故障につながるリスクがあります。
先にPhotoMOSリレーを両方ONにしてから電流を流せば問題ない?という疑問
両方のリレーを先にONさせてから負荷に電流を流せば、動作タイミングの差による片側のリレーに定格以上の電流が流れることを回避できます。
しかし、PhotoMOSリレーにはいわゆる内部抵抗である、オン抵抗があり、オン抵抗にも個体差があります。
そのため、個体差により、均等に電流が分流されず片方に過電流が流れてしまい、リレーの故障につながるリスクがあります。
【 結論 】
PhotoMOSリレーの並列接続でのご使用は故障のリスクがあるため、弊社としては推奨しておりません。
電流容量を増やしたい場合は、より定格の大きいリレーを選ぶことが安全で確実です。
今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS®通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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