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リレー関連情報

2025年08月27日

【PhotoMOS®通信】微小負荷に適したリレーの選定ポイント

微小負荷制御におけるリレー選定のポイントを、シグナルリレーとPhotoMOSリレーの特長や違いを交えて解説します。用途別の使い分けもご紹介します。

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パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。
※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です


【シグナルリレーとPhotoMOSリレー、それぞれの特長と用途別の使い分け】

「開閉回数が多いが、シグナルリレーで本当に大丈夫だろうか?」
「PhotoMOSリレーは便利そうだけど、OFF時に電流が漏れるって聞いたことがある……」
「そもそも、この2つはどう使い分ければいいの?」

そんな疑問をお持ちの設計者の方へ。
本記事では、微小負荷制御でよく比較される「シグナルリレー」と「PhotoMOSリレー」について、それぞれの構造的な違いから、適した用途や選定のポイントを整理します。

両製品を自社で開発・製造しているパナソニック インダストリーだからこそお伝えできる、比較情報です。


【シグナルリレー :微小信号に対応する高信頼な機械式リレー 】

グナルリレーは、内部に金属接点を持つ機械式のスイッチング素子です。中でも当社のTXシリーズのように、金めっき接点や高精度な接点構造を採用することで、微小負荷への対応力を高めた製品もあります。

主な特長:

  • 最小適用負荷:10μA / 10mV DC(当社TXシリーズの場合)

  • OFF時は物理的に接点が開くため、完全に電流を遮断

  • 電源不要で制御可能(コイル駆動による)

接点構造によっては、極めて小さな信号にも安定して対応可能です。
特に「OFF時に一切電流を流したくない」という制御回路では、今なお重要な選択肢となっています。


【PhotoMOSリレー:ノイズレスかつ長寿命な半導体リレー】

PhotoMOSリレーは、内部にLEDとMOSFETを用いた無接点の半導体スイッチです。
物理接点を持たないことで、シグナルリレーにはない多くの利点を備えています。

主な特長:

  • 構造上チャタリングがなく、ノイズに強い

  • 接点の役割を半導体で行うため、開閉寿命はなし

  • 微小アナログ信号もスイッチ可能

  • 表面実装・小型化に対応し、省スペース設計にも有利

ただし、OFF時に数nA~μAのリーク電流が発生するため、「完全遮断」が必要な用途では注意が必要です。

 

【特性比較表】

項目 シグナルリレー PhotoMOSリレー
微小負荷対応 △ リーク電流、オン抵抗あり
ノイズ特性 △ 接点チャタリングあり ◎ ノイズレス(無接点構造)
OFF時の電流遮断 ◎ 完全遮断可能 △ リーク電流あり(数nA〜μA)
動作寿命 ○ 数十万回(接点摩耗あり) ◎ 開閉寿命なし
動作速度 △ 数ms程度 ◎ 数十μs(高速応答)
実装性 ◯ SMD・DIPあり ◎ 小型・SMD対応あり
 

【用途別おすすめ選定】

ご要望・用途 推奨リレー
OFF時に電流を完全に遮断したい シグナルリレー
ノイズの少ない静音設計をしたい PhotoMOSリレー
頻繁にON/OFFする高頻度スイッチング PhotoMOSリレー
小型化・高密度実装が求められる PhotoMOSリレー
 


【まとめ】

シグナルリレーとPhotoMOSリレーは、どちらも微小負荷に対応可能な製品ですが、
その構造と特性の違いにより、適材適所の使い分けが必要です。

  • 完全遮断やコストを重視する場合はシグナルリレー

  • 高頻度・ノイズ対策・省スペースを重視する場合はPhotoMOSリレー

 

今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


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