【PhotoMOSリレーを並列に接続して電流容量を増やせる?】
回路の基本原理として、素子を並列に接続すると電流は分流されます。
例えば、2つの同じ抵抗を並列につなげば、それぞれの抵抗に流れる電流は理論上半分になります。この「並列接続=電流分担」という考え方から、PhotoMOSリレーでも同じことができるのでは?と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、上記のような使用方法はNGになります。
本記事ではその理由について説明していきますので、ご参考ください。
【動作タイミング差により、一方に瞬間的に過電流が流れてしまう】
並列接続した場合でも、PhotoMOSリレーごとにON/OFFのタイミングに微妙なズレが生じます。
片方のリレーが先にONすると、片方に一瞬だけ定格を超える電流が流れてしまいます。
この瞬間的な過電流により、リレーの故障につながるリスクがあります。
【先にPhotoMOSリレーを両方ONにしてから電流を流せば問題ない?という疑問】
両方のリレーを先にONさせてから負荷に電流を流せば、動作タイミング差による過電流は回避できます。
しかし、PhotoMOSリレーにはいわゆる内部抵抗である、オン抵抗があり、オン抵抗にも個体差があります。
そのため、個体差により、均等に電流が分流されず片方に過電流が流れてしまい、リレーの故障につながるリスクがあります。
【結論】
PhotoMOSリレーの並列接続でのご使用は故障のリスクがあるため、弊社としては推奨しておりません。
電流容量を増やしたい場合は、より定格の大きいリレーを選ぶことが安全で確実です。