導入
PhotoMOSリレーを使用するためには、使用するPhotoMOSリレーに適した入力制限抵抗をご準備いただく必要がございます。
今回のブログでは、その入力制限抵抗が必要な理由、入力制限抵抗に重要なLED電圧降下、そしてLED電圧降下を踏まえて選定の流れについて紹介いたします。
入力制限抵抗が必要な理由
PhotoMOSリレーは主に3つの部品を1つのパッケージにまとめた製品になります。
3つの部品とは、LED、太陽電池IC、MOSFETです。

動作としてはLEDに電流を流すことで、LEDが発光。
その光を受けて太陽電池ICが電圧を発生させ、MOSFETに電圧を印加することでON/OFFが切り替わります。
つまり、LEDに電流を流すことがPhotoMOSリレーが動くトリガーになります。
LEDに電流を流すためには、電源、PhotoMOSリレー、それに加えて抵抗が必要です。
その必要な抵抗のことを”入力制限抵抗”としています。
LED電圧降下
LEDに流す電流は基本的にオームの法則(V=IR)で考えることが出来ます。
5V電源で、AQY212Sという動作LED電流0.9 mAのPhotoMOSリレーを1 mAの電流で駆動させようとすると、オームの法則より必要な入力制限抵抗は下記となります。
R = 1.0 mA / 5 V =5 kΩ
なので5 kΩの入力制限抵抗を使えば問題なしと思われるかもしれませんが、
実は問題があります。
その問題となるのが、LED電圧降下です。
LED電圧降下とは、「LEDが“電流を流せる状態”に切り替わるために必要な電圧」のことです。
そのため、上記の例で、LED電圧降下が1.25だとすると実際にLED電流に流れる電流を考えてみます。
回路としては、電源-LED-入力制限抵抗です。
まずLEDが電流を流せる状態に切り替わるために1.25 Vの電圧が印加されます。
そのため、電源としては5 Vのうち1.25 Vを使用しているので、残り3.75 Vになります。
その3.75 Vが5 kΩの入力制限抵抗に印加され、LEDに流れる電流が決定されます。
I = 3.75 V / 5 kΩ = 0.75 mA
そのため、実は0.75 mAしかLEDに電流が流れておらず、動作LED電流 0.9 mAに足りないという問題が生じます。
LED電圧降下を踏まえた選定
では実際にどのように進めていくかをAQY212Sを例としたままで説明します。
AQY212SのLED電圧降下は1.25V
各商品のカタログにLED電圧降下の値は記載がありますので、そこで確認可能です。

このため、5 Vの電源を使うと
LEDに1.25 V、入力制限抵抗に3.75 Vが印加されるので、それ前提で入力制限抵抗の大きさを決める必要があります。
流したい電流は1.0 mAなので、
R = 3.75 V / 1.0 mA = 3.75k Ω の入力制限抵抗を選定すると問題なく動作します。
まとめ
・LEDにはLED電圧降下という「LEDが“電流を流せる状態”に切り替わるために必要な電圧」がある
・入力制限抵抗の選定には、LED電圧降下を考慮する必要あり