今回は、コネクタとノイズについてです。前回、ノイズについての基礎を解説いたしましたが、コネクタではどのようなノイズ対策が有効なのでしょうか。設計時にぜひご活用ください。
ノイズには、放射ノイズと伝導ノイズの二つが存在することは、前回お話しいたしました。
このうち、放射ノイズは、ノイズ源からの距離によってさらに二つに分類されます。
- 近傍ノイズ:ノイズ源から、近くへ伝わるノイズ
- 遠方ノイズ:ノイズ源から、遠くへ伝わるノイズ
電子機器内部には、様々なデバイスが搭載されていますが、それぞれのデバイスが発生する近傍ノイズによって、他のデバイスがノイズの影響を受けてしまう、自家中毒が問題となります。
ノイズは信号が高速になるほど、発生しやすくなります。ますます信号の高速化が進むなか、電子機器内部でのノイズ対策が必要になってきています。
ノイズ対策の基本は、EMIとEMSを両立させることであるのは、前回お話しいたしましたね。
電子機器内では、近傍ノイズの影響を防ぐため、シールドで覆うことが一般的に用いられています。
コネクタにおいても、シールド加工やグランド設置が有効な対策となりますが、接続部分であるため後からシールド加工を施すのは作業上難しくなります。
また、省スペース化という観点から考えても、後からシールドを施すことは避けたいところです。
そこで、コネクタにおいてもノイズ対策を実現するべく、コネクタ本体に初めからこのようなノイズ対策を施した商品が登場しています。
当社のP4Sシールドタイプでは、シールド加工・多点グランド構造を施し、簡単にノイズ対策を実現することができます。
いかがでしたでしょうか。今回は電子機器内におけるノイズ問題、そしてコネクタにおけるノイズ対策についてお話しいたしました。ぜひ、今回の内容を機器設計時にご活用ください。