お客さまからいただいた質問をもとに、今回は狭ピッチコネクタ(2ピーススタッキングコネクタ)とFPCコネクタ(FPC/FFCコネクタ)を機構設計時の重要なポイントから比較します。今回は前半編として、機器の小型化という観点でお話します。ぜひ機構設計にお役立てください。
前回は様々な機器内部接続コネクタをご紹介いたしました。その中でもパナソニックで主に取り扱っているコネクタである、2ピーススタッキングコネクタとFPC/FFCコネクタを、設計時にキーとなるポイントで、それぞれ比べてみましょう(表1)。
注1:以下本文では、パナソニックでの商品シリーズ名に合わせ、2ピーススタッキングコネクタを狭ピッチコネクタ、FPC/FFCコネクタをFPCコネクタと呼称しています。
注2:Y5BのみFPC/FFCに対応しています。他のシリーズはFPCのみ対応しています。
ご覧のとおり、コネクタは人と同じようにそれぞれ得意科目・不得意科目があります。私も世界史はやたら得意でしたが、数学はてんでダメでした…!
今回は表の赤枠部分、機器の小型化に関する「1.省スペース性」
1. 省スペース性
まず、コネクタ配置に必要なスペースについて比較します。狭ピッチコネクタは端子が2列対向に並んでいますが、FPCコネクタは1列または2列千鳥に並んでいます。このため同じ信号数の場合、狭ピッチコネクタの方が省スペースで実装することが可能です。また短手寸法においても、レバーを開閉するスペースやFPCを挿
2. 低背性
次に、コネクタの高さについて比較します。狭ピッチコネクタは、嵌合高さだけでなくサブ基板/補強板の厚みも含んだ高さが必要になります。対してFPCコネクタでは、FPCの厚みはコネクタの高さにあらかじめ含まれています。つまり、FPCコネクタのほうが機器の薄型化に有効になります(図2)。
いかがでしたでしょうか。狭ピッチコネクタとFPCコネクタ、前者は基板の小型化に、後者は機器の薄型化にそれぞれ貢献します。設計時にぜひお役立てください。次回は後半編、機構設計の自由度・嵌合作業性について詳しく見ていきます。