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コネクタ関連情報

投稿日:2015年07月30日 / 更新日:2023年09月07日

コネクタの接触抵抗と絶縁抵抗について

「正しくつなぐ」能力を示す、コネクタの接触抵抗と絶縁抵抗の用語の意味を解説します。

お客さまからいただいた質問をもとに、今回はコネクタの接触抵抗と絶縁抵抗の意味をそれぞれ解説します。
どちらも基本的な用語ですが、コネクタの接続に直結する重要なものです。機器の設計時にぜひお役立てください。

今回は、接触抵抗・絶縁抵抗についてです。
どんなコネクタを用いる場合でもカタログで見たことがおありかと思います。
どちらもコネクタの本質である「正しくつなぐ」能力を示すものであり、重要な言葉です。
いまいちど、それぞれの用語の意味を解説していきます。

1. 接触抵抗

接触抵抗とは、「電流の流れにくさ」を示します。
当社では、狭ピッチコネクタの場合はソケット端子~ヘッダ端子間、FPCコネクタの場合はコネクタ端子~FPCとの接触部間の電流の流れにくさを示します。
コネクタにおいて接触抵抗が大きいと、

  • 発熱しやすくなる
  • 消費電力の無駄が多くなる
  • 最悪の場合は導通不良の発生

といったことが起こります。
つまり、接触抵抗は小さいほうが望ましいのです。
この接触抵抗を左右するのは、端子材料/電流経路の断面積と長さ/接点の抵抗 の3つです。
当社ではJIS C5402規格条件下で接触抵抗値を保証しています。

実機で大きな電流を流したい場合は、コネクタの接触抵抗が原因の接続トラブルを起こさないように、例えば複数のピンを用いて電流を通すといった、使い方での工夫が必要となります。

2. 絶縁抵抗

コネクタにおける絶縁抵抗とは、「隣りあう端子間での電流が漏れない性能」を示します。
絶縁抵抗が十分にないと、隣りあう端子同士で電流の短絡が起きてしまいます。
接触抵抗とは逆で、絶縁抵抗は大きいほうがよいのです。
コネクタの絶縁抵抗の値は隣接する端子間の空間距離および成形部分の材料と沿面距離によって決まります。
当社ではDC250Vメガーにて1分間測定する条件で、各コネクタの絶縁抵抗値を保証しています。

コネクタにおいて、
接触抵抗は「コネクタと接続部」関する電気抵抗
絶縁抵抗は「隣りあう端子間」に対する電気抵抗
をそれぞれ指すのですね。(図1)

20150730-1

いかがでしたでしょうか。今回は、コネクタの本質に関わる“接触抵抗・絶縁抵抗”について基礎知識をご紹介いたしました。次回もコネクタの基礎の基礎であり、コネクタの接触信頼性・作業性に大きく関わる、挿入力・抜去力・FPC保持力についてお話したいと思います。

 

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