
パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS®通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。
※「PhotoMOS」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニック ホールディングス (株) の商標です。
※本記事は、当社で2025年9月4日~6日に開催したウェビナー「PhotoMOS リレー使用上の注意」の内容の一部を抜粋・再編集したものです。
はじめに
PhotoMOS リレーは、メカニカルリレーとは異なり半導体で構成されています。
そのため、瞬間的であっても負荷電圧・負荷電流が定格を超えた場合、素子が破損する可能性があります。安心して PhotoMOS リレーを使用いただくため、当社ではディレーティング設計を推奨しています。本記事では、そのディレーティング設計について解説します。
ディレーティング設計とは?
ディレーティング設計とは、実際の使用条件(負荷電圧・負荷電流)に対して十分な余裕を持った定格の製品を選定する設計手法です。
選定例
◯ アラーム出力負荷(DC 24 V、0.2 A)
→ 定格 60 V、0.5 A の PhotoMOS リレーを選定
× 電動工具(DC 60 V、0.5 A)
→ 定格 60 V、0.5 A の PhotoMOS リレーを選定
◯の場合、仮に何らかのトラブルにより使用電圧(24 V)の約 2 倍の電圧が瞬間的に印加されたとしても、PhotoMOS リレーの定格(60 V)以下であれば破損のリスクは低減されます。
一方、×の場合は使用条件が定格と同一であるため、わずかな過電圧・過電流でも破損に至る可能性があります。このため、当社では十分なディレーティングを考慮した選定を推奨しています。
よくある質問 3 選
Q1:交流負荷と直流負荷でのディレーティングの考え方は同様ですか?
A1:考え方自体は同様ですが、交流負荷の場合はピーク値で考える必要があります。
交流負荷の場合は実効値ではなく、ピーク値(実効値 × √2) で検討する必要があります。
・実効値:交流の電圧や電流が実際に仕事をする大きさ
・ピーク値:交流負荷での瞬間的な最大電圧・電流
Q2:負荷電圧は使用電圧に対し、具体的にどの程度の余裕が必要ですか?
A2:基本的には、絶対最大定格の 80 % 以下での使用を推奨しています。
また、ノイズやサージの発生が想定される場合は、絶対最大定格の 50 % 程度で設計するケースもあります。参考として、PhotoMOS リレーの負荷電圧と使用電圧の一例を下記に記載しています。
Q3:負荷電流で注意する点はありますか?
A3:周囲温度に注意が必要です。
PhotoMOS リレーは周囲温度が高くなると流せる負荷電流の値が小さくなる「負荷電流–周囲温度特性」があります。この特性は PhotoMOS リレーの種類によって異なりますので、該当するPhotoMOS リレーのデータシートをご確認ください。
下記は AQY212S(定格 60 V、0.5 A)の負荷電流–周囲温度特性です。
まとめ
本記事では、ディレーティング設計の基本的な考え方をご紹介しました。
実際の製品選定にあたっては、ノイズ、サージ、突入電流などの使用環境も考慮し、必ず実機評価を実施した上でご判断ください。
今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS®通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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