PhotoMOSリレーの負荷電圧と負荷電流の関係性について


導入

PhotoMOSリレーには様々な商品ラインナップがございます。

例えば、

・AQZ192:負荷電圧 60 V、負荷電流 10 A(大電流向け)

・AQV258H5:負荷電圧 1,500 V、負荷電流 0.02 A(高電圧向け)

画像2-3

 

この2製品を見比べて、何か気がつくことはないでしょうか?

 

 

実は負荷電流が大きいものは負荷電圧が低く、逆に負荷電圧が高いものは負荷電流が小さい、という“トレードオフ”の関係があります。

本記事では、その理由について説明していきます。

 

なぜ負荷電圧が高いと負荷電流が小さくなるのか?

理由はPhotoMOSリレー内部のMOSFETが関係しています。

画像3-1

MOSFETは同じ大きさのチップサイズの場合、負荷電圧が大きくなればなるほど、オン抵抗が高くなるという特性があります。

オン抵抗が高くなると、その分負荷電流が流れた際にMOSFETで発生する熱損失が大きくなります。

PhotoMOSリレーには「全許容損失(パッケージとして許容できる熱損失)」が設定されており、この許容損失を超えないように、商品仕様を決定しております。

熱損失=電流の2乗×オン抵抗で算出されるため、オン抵抗が大きくなってしまうときは、負荷電流が小さくなります。

 

MOSFETのチップサイズが大きくなると、、、?

MOSFETはチップサイズが大きくなればなるほど、オン抵抗が小さくなります。

そのため、大きなPhotoMOSリレーほど、大きな負荷電圧が印加できたり、負荷電流を流せる傾向があります。

60V, 10A定格のAQZ192のSIL4パッケージと、60V, 0.5A定格のAQY212SのSOP4パッケージを比較すると下記のとおりです。

画像1-3

※上記2品番は同一MOSFETを使っているというわけではありません。
MOSFETが大きくなればなるほど、オン抵抗が下がる傾向があるとご認識下さい。

 

負荷電圧を小さくしたら、負荷電流は定格以上流すことは可能ですか?

基本的にNGになります。

表面的には「低い電圧なら損失が小さくなるはず」と思うかもしれませんが、製品の定格は熱、信頼性などの多くの条件を評価したうえで安全に使えるよう設定されています。

定格以上を流すと発熱・温度上昇により短期的に動作はしても、内部の結合部分やパッケージが損傷したり、寿命が著しく短くなる恐れがございます。

必ず、商品仕様内でのご使用をお願いします。

 

仕様外でのご使用を検討の際は、弊社担当営業、またはお問い合わせまでご連絡下さい。

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