【はじめに】
PhotoMOSリレーを選定する際、どの程度の電圧まで耐えられるかは非常に重要な判断材料です。
しかし、カタログスペック通りの電圧で運用するだけでは、思わぬトラブルを招く可能性があります。
本記事では、**「なぜ使用電圧より高い耐電圧が必要なのか」**を中心に、選定時の注意点を整理して解説します。
【ポイント①】定格ギリギリの使用はリスクあり
たとえば、負荷が100V ACだからといって、耐電圧が100VのPhotoMOSリレーを使用するのは非常に危険です。
PhotoMOSリレーは半導体で構成されており、定格電圧をわずかでも超えると破損するリスクがあります。
【ポイント②】使用環境には“突発的な電圧変動”がある
現場では、リレーにかかる電圧が常に一定であるとは限りません。
以下のような影響により、瞬間的に電圧が上昇することがあります。
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外部からのノイズ(突入電流、雷サージ等)
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突発的な負荷変動
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他部品(特にバリスタなど)の性能ばらつき
こうした変動に備え、安全マージンを考慮した設計が求められます。
【ポイント③】100V ACには350V耐圧品を推奨
例えば、実際の設計現場では、100V ACの負荷には、耐圧350V程度のPhotoMOSリレーを選定するケースがあります。
これは、定常使用だけでなくサージやノイズへの耐性を加味した判断です。
「余裕を持たせる」という設計思想が、長期的な信頼性確保につながります。
【ポイント④】バリスタの性能ばらつきにも注意
電圧保護部品としてよく使われるバリスタは、規定電圧で正確に動作するとは限らないという特徴があります。
たとえば250V動作品であっても、製品ごとにばらつきがあり、実際には300V以上にならないと動作しない個体が存在する可能性もあります。
そのため、バリスタの動作タイミングに頼りすぎず、リレー側にも十分な耐圧余裕を持たせることが重要です。
【まとめ】PhotoMOSリレー選定時は「余裕設計」が鉄則
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定格ギリギリの使用は避ける
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使用環境による突発的な電圧上昇を想定する
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バリスタなど保護部品の性能ばらつきも加味する
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100V ACには350V耐圧リレーが目安
- 選定に不安がありましたら営業担当まで
PhotoMOSリレーは、繊細な制御を支える半導体リレーです。
**“壊れない設計”=“余裕ある設計”**を意識し、安心・安全な機器構築にお役立てください。