今回は、コネクタで電源を流す際のポイントやご注意点を解説いたします。ご使用方法によっては、機器の温度上昇などにつながる恐れもございますので、ぜひ今回の内容をご活用ください。
機器の内部の回路上には、さまざまな部品が実装されていますが、これらの部品には電源を供給する必要があるものもあります。コネクタは接続部品として基板間や機器間をつなぐわけですが、その際に接続先の部品のための電源をつなぐ場合もあります。
特にモバイル機器の場合、下図のようにバッテリーから基板上の部品やモジュールへコネクタを介して電源が供給されます。
コネクタはそれぞれ1端子あたりの定格電流をカタログで定めています。
各端子に、この定格電流以下の電流を流していただくことが基本です。
仕様書で規程している定格電流以上の電流をコネクタへ流すと、異常発熱・発煙・発火などで、機器を損傷し、最悪の場合事故につながってしまいます。
ご使用時は必ず仕様書をご確認いただき、また使い方に関して不明点があれば当社営業までお問い合わせください。
しかし、電源用途となると、大きな電流を流す必要があることもあるかと思います。
例えば、カメラモジュールでは一般的に○○Aの電源供給が必要となります。
この場合は、下図のように定格容量で伝送できるよう、分流して電源をコネクタの端子へ流します。
最近、各部品の高機能化に伴う消費電力の増加や、充電時間短縮の実現のために、回路に流す電流値が大きくなってきています。
そこで、当社では高電流対応コネクタを取り揃えています。
ラインアップとしては、下記の4つです。
今までよりも多くの電流をコネクタに流すことになると、今までよりもたくさん電源供給用に芯数を使う必要がでてきます。
芯数が増えるということは、それだけコネクタのサイズが大きくなってしまいます。
そこで、高電流対応コネクタには、定格電流の大きい電源端子を設けており、これらに電流を流していただけば、電源供給ラインの芯数を削減することができます。
また、A35Pは電源端子を自由に設定いただけるという、少し変わったコネクタです。
これらをご活用いただければ、より少ない芯数・小さなスペースで、電源を流していただくことができます。
いかがでしたでしょうか。今回はコネクタで電源を流す際に重要なポイントを解説いたしました。ご使用の際は、機器の事故につながらないよう、仕様書のご確認を必ずお願いいたします。