今回は、光アクティブコネクタのアプリケーション事例シリーズ「計測機器で活躍する光アクティブコネクタ」についてご紹介します。大容量データの高速通信が可能で、外部のノイズ影響を受けにくい、小型で軽量の光アクティブコネクタ(AOC:Active Optical Connector)は、計測機器に適した重要な通信デバイスです。
この記事は、計測機器の信号伝送・ノイズ対策・制御 エンジニア向けのお役立ち情報を掲載しています。計測機器での高速信号伝送、ノイズ対策や電気絶縁にお困りの方はぜひお役立てください。
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目次
2. 半導体テスタでの使用
・光アクティブコネクタとは
光アクティブコネクタ(AOC)とは、電気コネクタを接続、電気信号(差動信号)を光信号に変換して光ケーブル(光ファイバー)で伝送するためのコネクタです。数十メートルに及ぶ機器間の長距離通信においても外部のノイズ影響を受けにくく、大容量データの安定した高速伝送を可能とする光伝送デバイスです。さらに、機器間の電気的な絶縁も可能です。
・計測機器で用いられるAOC
AOCは、計測機器のノイズ抑制や電気絶縁対策のために使われます。
それでは、計測機器のどの部分にAOCが使われているのかを見ていきましょう。
1.高電圧測定器での使用
高電圧測定器(電力計)では、特に、電気自動車やインバータ回路等の高電圧測定になるとコモンモードノイズの発生が大きくなります。機器の保護やコモンモードノイズ抑制のためには、測定系回路と信号処理回路間の電気絶縁をする必要があります。
AOCは双方向1chの高速データ通信(8Gbps/ch)により、高速サンプリングタイムに対応でき、光通信により電気的な絶縁が可能です。電力計の測定系回路と信号処理回路間の絶縁目的で、AOCが複数セット用いられる場合もあります。
2.半導体テスタでの使用
半導体デバイス検査装置の高速化、多チャンネル化により半導体テスタでも光伝送の需要が増えてきています。検査装置の高機能化に伴いノイズ対策が課題となっています。
外部のノイズ影響を受けにくく電気的な絶縁が可能なAOCは、センサーテスタやメモリテスタの基板内・基板間接続に使用されています。光伝送により、デバイス検査プローブと信号処理回路部のノイズ耐性が向上します。
・計測機器での伝送課題をAOCが解決
計測機器でデジタルデータ信号を伝送するときには下記のような課題があがることがあります。
・データ処理回路保護のため入力部との電気的絶縁が必須だが、パルストランス等の従来の
絶縁デバ イスで絶縁する場合は高サンプリング対応のために設置数が多くなる。
・複数個設置したデバイスの同期が必要となる。
・パワーデバイス等の高電圧測定が増加し、高電圧耐性が求められている。
・サンプリングレート向上による機器の高性能化が求められている。
・計測機器の小型化のために回路素子やモジュールを小型化する必要がある。
このような課題を、AOCで解決することができるのでしょうか?
もちろん、光アクティブコネクタVシリーズでお困りごとをまるごと解決できます!
AOCは光伝送による高ノイズ耐性・絶縁性により、大容量データの高速伝送を実現します。そして、小型・軽量デバイスで計測機器のスリム化にも貢献します。高速伝送と省配線・軽量化を共に実現できるのです。SFP(光トランシーバ)と比べ小型で軽量、任意の位置に配置できるため、基板の小型化・設計の自由度に貢献します。また、メイン基板と多chのサブ基板といった基板間の伝送においては、高電圧の電気的絶縁が可能なため、計測機器には最適なデバイスです。
計測機器内の限られたスペースでレイアウトすることができるので、レイアウトの自由度が高く、機器内基板の小型化が可能です。AOCは低消費電力・低発熱ですので放熱設計の必要はありません。また、パナソニック インダストリーのAOCは、単方向2chまたは双方向1ch(8Gbps/ch)のラインナップから用途に合わせて選択いただけます。
・AOC開発エンジニアからのアドバイス
・AOCは伝送帯域の広い伝送デバイスです。入力された信号はそのままの帯域で伝送して出力
されます。ただし、入力信号は8B10Bコード変換されたDCバランスが取れた信号が必要です。
・光信号は電磁ノイズに強いですが、光/電気変換部はノイズの影響を受けます。
パナソニック インダストリーのAOCは、電気/光変換部は金属シェルで保護しGND接続して
おり、耐ノイズ対策を行っております。
・「光伝送は扱ったことがなく、難しそう……」と思っていませんか?
AOCは電気コネクタ実装による電気インターフェスです。通常の電気設計で完結できます。
・光接続タイプはSFPから置換え可能なデバイスです。SFPにお困りごとがあればぜひ置換えを
ご検討ください。
・AOCに対するユーザからの声
「ノイズ対策ができること、狭い場所でも設置できる小型サイズであることが良い」
「耐ノイズで苦労していたので光伝送デバイスを検討した」
「ノイズ対策の設計に試行錯誤を繰り返す世界から解放されて、開発スケジュールどおり製品発売できた」
「AOC採用により優れた高速サンプリングと高絶縁特性が両立できた」
・AOCをもっと知りたい
計測機器の中でAOCが活躍していることがおわかりいただけたでしょうか?
今回の記事を通じてAOCについてのご理解が少しでも深まれば幸いです。
AOCをもっと知りたい!アプリケーションにAOCを使ってみたい!という方は、ぜひ特集ページをご覧ください。