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コネクタ関連情報

投稿日:2017年02月20日 / 更新日:2023年09月07日

実装の達人になる!-コネクタ実装に影響するカバーレイ・接着剤厚み-

FPCのカバーレイ厚みとコネクタ実装について解説しています。

今回は、プアはんだを防ぐ、FPCのカバーレイ・接着剤といった各層の厚み設計についてです。

FPCへコネクタを表面実装する時に、パターンやはんだ量の調整等はさることながら、FPCのカバーレイ・接着剤の厚みも考慮していただければ、よりしっかりとはんだ実装をしていただくことができます。

まず、ご存知の方も多いと思いますが、FPCは複数の異なる素材の層が重なって構成されています。
片側FPCや多層FPCや耐熱性の高いものなど、FPCによって構造も様々ですが、
ごく簡単に説明しますと、
・ベース材(ポリイミドなど)
・ベースと銅箔をひっつける 接着剤
・パターン部分である 銅箔
・銅箔とカバーレイをひっつける 接着剤
・パターン部分以外を絶縁・保護する カバーレイ
というように下から重なっています。(図1)

20170213-1.png

コネクタを実装する表面部分は、パターンの銅箔を接着剤+カバーレイで保護されている場合がほとんどです。(はんだ実装する部分のようにパターン露出が必要な箇所は除きます)
プアはんだを防止するには、このカバーレイと接着面の厚みが非常に重要となります。

コネクタではスタンドオフ(コネクタをプリント基板面より上げて隙間を設けるための構造)を持っているものもありますが、一部の特に低背なコネクタは、このスタンドオフを設けておりません。

20170213-2.png

スタンドオフがないコネクタは、図3のように端子がコネクタの成形部分底面と同じ高さにあります。そのため、カバーレイや接着面が分厚くなると、端子とはんだでつなげる先である、銅箔部からどんどん距離が生まれてしまいます。すなわち、はんだがよりつきにくくなり、プアはんだが発生してしまう可能性があるのです。

また一方では、カバーレイや接着面が分厚くなると、スクリーン印刷の際にはんだ量が多くなってしまうために、はんだ過多となるリスクも増えてしまいます。

20170213-3.png

このために、実際にFPCへはんだ実装していただく際は、カバーレイ・接着面については、できるだけ薄い構造にしていだく必要があります。
どうしてもプアはんだが多発してしまう場合は、各絶縁層の厚みの実測確認をしてみてください。カバーレイの一般的な厚みは接着剤を含め、30μm程度ですが、これ以上になる場合はコネクタ下面のカバーレイ・接着剤の厚みを見直してみてください。

いかがでしたでしょうか。今回はFPCはんだ実装時におけるコネクタのカバーレイ・接着剤の厚みについて解説いたしました。プアはんだを無くすために、これらを念頭においてFPCを設計してみてください。

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