スルーホールは、基板上に開けた穴で、多層基板において異なる層をつなぐものです。
(図1)
何層にもなっている基板の表面と内部を接続することで、配線パターンの自由度を飛躍的にアップさせることができます。また、表面にスルーホールを設けてピンをあてて、多層基板の導通検査を行うこともできます。
当社コネクタは全て表面実装であり、スルーホール実装には対応していません。ただ、コネクタのフットパターンを延長して、スルーホールを設けることもあるかと思います。
(図2)
そのようなコネクタ実装部のはんだが、スルーホールの方へパターンに沿って流れてしまう場合があります。そうなると、コネクタ実装部に十分なはんだが残らず、はんだ実装不良やプアはんだとなってしまいます。
つまり、フットパターンをそのまま延長してスルーホールへつなげる場合、はんだがスルーホールの方へ流れていかないような工夫をすることが、しっかりコネクタを実装するために必要になるのです。
そこで、2つの代表的な対策をご紹介します。
①フットパターンとスルーホールの間のパターンを一部細くする(図3)
パターンを一部細くすることで、コネクタ実装部のはんだがスルーホールへ流れにくくなります。
②カバーレイやレジストで、端子実装部とスルーホールの間を覆う。(図4)
カバーレイ:FPC基板でよく用いられる、基板表面を保護するためのシート
接着材でFPC基板上に貼り付けて使用する
レジスト :リジッド基板でよく用いられる、基板表面を保護するもの
インク状になっているものを基板上に印刷して施す
これらカバーレイ・レジストは、はんだが流れない(はんだが密着しない)素材でできています。
コネクタ実装部とスルーホールの間にこれらを施すことで、コネクタ実装部からスルーホールへはんだが流れるのを止めることが可能です。
いかがでしたでしょうか。今回はフットパターンを延長してスルーホールを設ける際の、ご注意点をまとめました。はんだがコネクタ実装部から流れないような工夫が重要です。
ぜひ、設計時にご活用ください。