お客さまからいただいた質問をもとに、今回はコネクタの端子平坦度について解説いたします。また、はんだ実装時にご確認いただきたい事項についてもお話いたします。ぜひ、機構設計時にお役立てください。
まず、端子平坦度の用語の意味から解説いたします。
コネクタにおける端子平坦度とは、図1の通り、ならんだはんだ付け端子(信号端子/金具端子共に含みます)のバラツキ度合いを差しています。
細かく説明すると、1つのコネクタに配置されているはんだ付け端子の中で、最も低い位置にある端子と、最も高い位置にある端子の高低差の最大値を示すものです。
当然、設計的には端子平坦度はゼロが理想ですが、現実的にものづくりで全端子を同一高さに完全にそろえることは困難で、わずかながらこのような端子のバラツキがでます。そのバラツキ度合いを端子平坦度として規定しているわけです。
この、わずかなバラツキ度合いはなぜ重要なのか・・・!
その答えは、端子平坦度がコネクタのはんだ実装性に大きく関わるためです。
実装する際に、同一コネクタ内で端子の位置にバラツキがあると、はんだのつき具合に差がでてしまい、はんだ付け強度の低下を招く可能性があり、最悪のケースでははんだ未着(プアはんだ)が発生することになります。
端子平坦度が安定(=ゼロに近い)していると、はんだ付け強度の不足やはんだ未着(プアはんだ)も起こりづらいことはイメージいただけるかと思います。
実装に関する大切なファクターですから、パナソニックを含む各コネクタメーカは、この端子平坦度を保証しています。具体的な保証値は個別商品の仕様図をご確認ください。
また、適切に実装いただくために、弊社では仕様書で推奨基板パターンおよびメタルマスクスクリーン推奨加工図、推奨リフロープロファイルを示していますので、ご使用の際は必ずご確認くださいね。併せてコネクタ使い方マニュアルもご活用ください。
いかがでしたでしょうか。今回は、端子平坦度について解説いたしました。
近年、部品の小型化・加工精度の向上・はんだの進化が目まぐるしく、コネクタの実装は簡単なものではなくなっています。
手先がぶきっちょな私にとっては、頭がくらくらしてしまうような話ですが、仕様書やマニュアルをきちんとご確認いただき、コネクタをお使いいただければ、しっかりはんだ実装することができます。機構設計の際に、ぜひお役立てください。