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リレー関連情報

投稿日:2015年01月28日 / 更新日:2023年09月07日

メカニカルリレーのホットスタートとは?

メカニカルリレーのホットスタートについて、注意すべき点などを交えながら解説します。

お客さまからいただいた質問をもとに、今回はメカニカルリレーのホットスタートについて、注意すべき点などを交えながら解説します。ぜひ、今回の内容を参考に、使用する環境についてもよく確認してください。

質問:メカニカルリレーのホットスタートとは何ですか?

答え:接点通電状態でコイルに連続通電後、一度コイルへの通電をオフしすぐにオンする状態のことをホットスタートといいます。

ホットスタートを必要とする場合、感動電圧が高くなります。これは、コイルの温度上昇によりコイル抵抗値が増加し、コイル電流値が減少して吸引力が下がる為です。

図1は周囲温度と感動電圧の変化率を示したものです。 このグラフは周囲温度20℃のときの通常時感動電圧(コールドスタート時)を基準とし、周囲温度が変化した場合の感動電圧の変化割合を表しています。通常時感動電圧で、周囲温度20℃のときと60℃のときを比較すると60℃のときが11%ほど高くなっていることがわかります。これは、周囲温度の影響により、コイル温度が上昇したためです。

これに対し、ホットスタート時の60℃のときの感動電圧は約23%も高くなっていることがわかります。これは、周囲温度の影響に加え、ホットスタートによるコイルの発熱が影響しているためです。この様なことから、周囲が高温状態になることの多い環境でご使用される場合は、ホットスタートにも、注意する必要があることがわかります。

ここまでをおさらいすると、周囲温度によって上昇するとコイル抵抗と同様に、コイル自体の温度が上昇することでもコイル抵抗は上昇していきます。そのため、ホットスタート時はコールドスタート時の周囲温度の影響以上に感動電圧は大きくなります。例えば周囲が高温状態になることの多い熱物家電などは、動作への影響が出るホットスタートに、特に注意する必要があります。 

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いかがでしたでしょうか?今回はホットスタートについて解説しました。使用環境を考慮することは、回路設計ではとても重要です。ぜひ、回路設計時に、リレーの選定の情報としてお役立てください。

今回のキーワード

  • 感動電圧:感動電圧とは、コイル電圧を徐々に上げていき、リレーが動作(ON)するときの電圧です。
  • コールドスタート:コールドスタートとは、接点及びコイル無通電状態で、リレーを動作させること。
 
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