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検知/計測/制御関連情報

投稿日:2013年10月03日 / 更新日:2017年06月12日

タイマ・カウンタのオープンコレクタ入力の見方

タイマ・カウンタの入力にオープンコレクタを使用する際の注意点やキーワードについて解説します。

お客様からいただいた質問をもとに、今回はオープンコレクタについて選定で注意していただきたいポイントやキーワードを解説いたします。ぜひ最後までご覧いただき、回路設計や理解を深める参考になさってください。

質問:タイマやカウンタの入力にオープンコレクタの場合の条件がいろいろと記載されていますが、その意味がよくわかりません。

回答:オープンコレクタとは、信号の出力形式の一つです。オープンコレクタは電気信号を直接出力するのではなく、トランジスタをスイッチとして出力しているものをいいます。
タイマやカウンタへの入力にこのオープンコレクタを使用することができます。
下記のように一例を挙げて説明します。

タイマやカウンタなどの接点入力の注意事項には、図1のようなものがあります。

20131003-1

図1中のトランジスタに要求されている仕様について説明します。

VCEOとはトランジスタのコレクタ、エミッタ間に印加できる最大の電圧のことです。
また、Icとはトランジスタのコレクタからエミッタへ流せる最大の電流のことです(図2)。

20131003-2

タイマやカウンタの各入力端子からは電圧が出ており、電流が流れることで入力がONします。
この電圧、電流を開閉する能力がないと動作異常につながりますので、各機種の注意事項にあります仕様に適合するトランジスタを選定するようにしてください。

トランジスタはOFF時であっても、コレクタに電圧がかかることでコレクタからベースへ電流が流れてしまいます。この漏れ電流のことを、ICBOといいます。

ICBOの影響によりトランジスタがOFF状態でもトランジスタの出力側に電流が流れる為、ICBOの数値が大きい場合タイマ側の入力が意図せずONしてしまう誤動作を起こすことがあります。

最後に、残留電圧についてご説明します。
残留電圧とは、トランジスタがON時にコレクタ、エミッタ間で起こる電圧降下のことです。
トランジスタがON状態のときに、トランジスタのコレクタ、エミッタ間で電位差が生じてしまうと、タイマ、カウンタの安定した動作の妨げになります。したがって、この残留電圧が規定値以下であるトランジスタの選定を行うようにしてください。

いかがでしたでしょうか?今回はオープンコレクタについて解説しました。タイマやカウンタの出力にオープンコレクタを用いる際に入力としてトランジスタを使用される場合は、さまざまな特性を満たすものを選定する必要があります。ぜひ、今回ご紹介したポイントやキーワードを参考にしてください。

今回のキーワード

  • オープンコレクタ:信号の出力形式の1つで、トランジスタをスイッチとして出力します。
  • トランジスタ:トランジスタとは2種類の半導体を3層に組み合わせ、主にスイッチングと増幅を行える三端子を持った半導体素子のことです。
  • 漏れ電流:漏れ電流とは出力がOFFしている際に、出力側に流れる意図しない電流のことをいいます。

谷口

パナソニック株式会社 制御部品・電子デバイス コンタクトセンター所属。久留米高専電気工学科卒業後、松下電工株式会社(現・パナソニック)へ入社。25年間の制御部品営業を経て現部署へ。 趣味:サイクリング、登山、マラソン、天体観測

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