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リレー関連情報

投稿日:2013年06月03日 / 更新日:2024年01月29日

PhotoMOSリレーのオン抵抗について

PhotoMOSリレーのオン抵抗について解説します。

今回のキーワード

  • PhotoMOSリレー:PhotoMOSリレーとは入力側にLEDを使用し、出力側にMOSFETを使用した半導体素子で、メカニカルリレーと違い入力コイルと出力の接点を持たないという違いがあります。
  • MOSFET:MOSFETとはトランジスタの一種で、最も一般的に使用されている構造です。材質としては、シリコンを使用するものが一般で「モス・エフイーティー」又は「モスフェット」と呼ばれています。
  • トレード・オフ:トレード・オフとは一方がよくなれば、もう一方が悪くなってしまうという関係のことをいいます。今回はオン抵抗が下がることで、許容電圧が下がってしまうという関係性を指しています。

お客様からいただいた質問をもとに、PhotoMOSリレーのオン抵抗について解説をしていきます、オン抵抗とはどういったものなのかを理解し、用途に応じたリレーの選定にぜひお役立てください。

質問:PhotoMOSリレーはオン抵抗という仕様がありますが、これはメカニカルリレーの接触抵抗と同じものですか?
 

答え:はい。基本的にメカニカルリレーでいう接触抵抗と同じです。出力側に負荷電流を流した際に(リレーをオンした際に)出力端子間で電圧降下が発生します。これは、PhotoMOSリレーの出力端子間にオン抵抗が存在するためです。

 

図1はPhotoMOSリレーの出力部電流-電圧特性を表しており、直線の傾きがオン抵抗を表しています。PhotoMOSリレーのオン抵抗によって、負荷電流を流した際に出力端子間で電圧降下が発生して電力を消費します。

【図1】

出力に使用されるMOSFETのオン抵抗は、耐圧(負荷電圧)とトレード・オフという、
一方をよくすると他方が悪くなる関係にあり、耐圧を上げるほどオン抵抗は大きく、消費電力も大きくなります。

逆に、耐圧を下げた場合は、オン抵抗は小さくなるということがいえます。
温度条件などによってオン抵抗の値は変わってきますので、使用される条件に応じた特性のPhotoMOSリレーを選定することが必要です。

オン抵抗の値は、周囲温度の変化によって影響されます(図2)。


【図2】



周囲温度が上昇するとオン抵抗の値は大きくなり、消費電力が大きくなります。
消費電力が大きくなると熱に弱い素子の破壊につながる可能性があるため、消費電力を一定以下に抑える必要があます。
PhotoMOSリレーでは負荷電流にディレーティング(動作温度に応じて定格値以下で動作させること)を持たせており、高温の条件では一定以上の負荷電流を流さないように定格を定めていますので、ご使用状況に合わせて選定してください(図3)。

【図3】

 

いかがでしたでしょうか?
今回はオン抵抗について解説しました。
実際にPhotoMOSリレーをご使用になる際は、リレーごとの特性、定格をよくご覧いただき、
ご使用の温度環境で一番安定した動作が期待できるものを使うようにするとよいでしょう。
そのためにも、このトレード・オフという関係性とオン抵抗が低いほど消費電力が少なくなることを回路設計の参考にしてください。

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