本記事は、当社第4回ウェビナー「PhotoMOSリレー使用上の注意」の内容の一部を抜粋・再編集したものです。
はじめに
PhotoMOSリレーは、メカニカルリレーとは異なり半導体で構成されています。
そのため、瞬間的であっても負荷電圧・負荷電流が定格を超えた場合、素子が破損する可能性があります。
安心してPhotoMOSリレーをご使用いただくため、当社ではディレーティング設計を推奨しております。
本記事では、このディレーティング設計について解説いたします。
ディレーティング設計とは?
ディレーティング設計とは、実際の使用条件(負荷電圧・負荷電流)に対して十分な余裕を持った定格の製品を選定する設計手法です。
選定例
◯ アラーム出力負荷(DC24V 0.2A)
→ 定格60V 0.5AのPhotoMOSリレーを選定
✗ 電動工具(DC60V 0.5A)
→ 定格60V 0.5AのPhotoMOSリレーを選定
◯の場合、仮に何らかのトラブルにより定格電圧(24V)の約2倍の電圧が瞬間的に印加されたとしても、
PhotoMOSリレーの定格(60V)以下であれば破損のリスクは低減されます。
一方、✗の場合は使用条件が定格と同一であるため、わずかな過電圧・過電流でも破損に至る可能性があります。
このため、当社では十分なディレーティングを考慮した選定を推奨しております。
よくある質問3選
Q1:交流負荷と直流負荷でのディレーティングの考え方は同様?
A1:異なります。
交流負荷の場合は実効値ではなく、*ピーク値(実効値×√2)*で検討する必要があります。
■実効値:交流の電圧や電流が実際に仕事をする大きさ
■ピーク値:交流負荷での瞬間的な最大電圧・電流
Q2:負荷電圧は使用電圧に対し、具体的にどの程度余裕をみる必要あり?
A2:基本的には、絶対最大定格の80%以下での使用を推奨しております。
また、ノイズやサージの発生が想定される場合は、
絶対最大定格の50%程度で設計するケースもあります。
参考として、PhotoMOSリレーの負荷電圧と使用電圧の一例を下記に記載しております。
Q3:負荷電流で、注意する点は?
A3:周囲温度に注意が必要です。
PhotoMOSリレーは周囲温度が高くなると、流せる負荷電流の値が小さくなる、
負荷電流-周囲温度特性があります。
本特性は、PhotoMOSリレーの種類によって変化しますので、
該当するPhotoMOSリレーのデータシートをご確認下さい。
下記はAQY212S (定格60V 0.5A) の負荷電流-周囲温度特性です。
本記事ではディレーティング設計の基本的な考え方をご紹介しました。
実際の製品選定にあたっては、ノイズ、サージ、突入電流などの使用環境も考慮し、
必ず実機評価を実施した上でご判断ください。