パナソニック インダストリーで、信号制御用リレーのマーケティングを担当している片上です。
【PhotoMOS通信】は、PhotoMOSリレーやシグナルリレーなどの信号制御用リレーの選定や、それらのリレーを活用した製品設計にお役立ちいただける情報をご紹介していきます。
【はじめに】 「PhotoMOSリレーを使った回路でサージが発生することはあるのか?」
これはPhotoMOSリレーの導入を検討されている多くの技術者の方からいただくご質問のひとつです。特に、高精度・高信頼性が求められる機器では、わずかな電圧スパイクや誤動作が製品全体の性能や寿命に影響を与える可能性があるため、回路設計段階でのリスク洗い出しは重要です。
この記事では、PhotoMOSリレーにおけるサージ発生の可能性と、その設計上の注意点についてわかりやすく解説します。
【結論】 PhotoMOSリレー本体は、構造上サージを発生させることはありません。
PhotoMOSリレーは、LEDとMOSFETから構成される無接点型の半導体リレーです。 機械式リレーのようにコイルを用いた駆動構造ではないため、リレー自身がインダクティブなエネルギーを蓄えることはなく、スイッチング時にサージを発生させる構造的要因はありません。
そのため、PhotoMOSリレーは構造的にサージの発生源にはならず、ノイズレスでスムーズな開閉が可能です。
【注意すべきポイント:外部からのサージ】
一方で、接続される負荷や周辺回路によっては、PhotoMOSリレーにサージが加わる可能性はあります。 たとえば、モーターやソレノイドなどのインダクティブ負荷では、開閉時に逆起電力が発生し、結果的にPhotoMOSリレーに高電圧が印加されることがあります。
このようなケースでは、PhotoMOSリレー本体が原因でサージが発生するのではなく、「負荷側が生み出したサージの影響を受ける」という関係性になります。
【推奨される対策】
以下のようなサージ保護回路の導入を推奨します:
-
クランプダイオード
-
R-Cスナバ回路
-
バリスタ
これにより、MOSFETの破壊や誤動作リスクを最小限に抑えることが可能になります。
▶詳しい記事はこちら
【まとめ】
-
PhotoMOSリレー本体は、サージを発生させる構造ではありません。
-
サージリスクがあるとすれば、主に接続される負荷側からの逆起電力に起因します。
-
設計時には、負荷の性質に応じた保護回路の追加を検討することが重要です。
サージに対する理解と対策を深めることで、PhotoMOSリレーの特長をより安心して活かすことができます。 製品選定や設計において不明点があれば、ぜひお気軽に当社までご相談ください。
今回ご紹介した内容はいかがだったでしょうか?
みなさまの製品設計や部品選定のお役に立てれば幸いです。
本記事や【PhotoMOS通信】へのご質問・ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
▶PhotoMOSリレー商品情報はこちら
▶シグナルリレー商品情報はこちら
PhotoMOS通信 関連記事
PhotoMOS
|
PhotoMOS
|
PhotoMOS
|
より詳しい情報やご相談をご希望の方は、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。