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【業界が再注目‼】ファイバレーザマーカ、省エネルギーのヒミツ (CO2排出ガス・電気代削減)

電力消費が他の発振方式の約半分で使用でき、環境対策として今業界で再注目されている
ファイバレーザマーカについて、そのヒミツをご紹介いたします。

 

ファイバーレーザのメリットとは?
近年、『SDGs(持続可能な開発目標)への貢献』や『サステナビリティ』への取り組みを
中期経営計画に掲げる企業が増えていますね。

持続可能な社会を目指す中で企業が取り組むべき非常に大切な内容ではありますが、
生産部門や設備選定に関わるご担当者様からは各部門にCO2排出ガスの削減目標値が割り当てられ、
目標の達成に向けてCO2の排出量が少ない機器を選択したいというお声が増えているように感じます。

そんな中、業界で再注目を集めているのが、弊社のファイバ発振方式のファイバレーザマーカです。
同等出力の他の発振方式(YAG方式やYVO4方式)に比べ、なんと約半分の消費電力で使用できるんです。

本日はこのファイバ発振方式の省エネルギーの秘密について、
YAGやYVO4方式との発振原理の違いや、実際のCO2排出量や電気代の比較を
シミュレーションしながらご紹介できればと思います。

レーザ発振方式の違いによる消費電力の差

まずは、装置自体の消費電力の差を見てみましょう。
今回は市場で一番流通している10~20Wクラスのレーザマーカを指標にして
各発振方式における消費電力の差についてみてみましょう。

機種にもよりますが、パナソニックのファイバレーザマーカの消費電力は約350VA程度です。
それに比べて、LD-YAGレーザマーカや、YVO4レーザマーカは約700~1000VA程度です。


消費電力の差-1

ファイバレーザマーカはYAGやYVO4レーザマーカに比べて約半分の
消費電力ということが分かります。

半分って結構すごいですよね。
では次にこの消費電力の違いがCO2排出量や電気代にどのように影響してくるのか試算してみましょう。


CO2排出量の差


こちらはCO2排出量の差です。

CO2排出量は、ファイバ発振方式が年間約275㎏に対してYVO4発振方式は年間約552㎏となり、
1年間使用すると約277㎏の差になります。

排出量の差-1


レーザマーカが使用される生産ラインは10年以上稼働し続けるものも多いですので、
長期的にみるととても大きなCO2排出削減に繋がっていることが分かります。


電気料金の差


次に消費電力を電気代に換算してみましょう。

電気料金については、ファイバ発振方式が年間約1万円に対してYVO4発振方式は年間約2万円となり、年間約1万円の差となります。
こちらも10年以上使用すると考えると10万円以上の差になりますので、結構大きな差になりますね。





レーザマーカという印字方式自体が消耗品がなくランニングコストが電気代のみで使用頂ける方式で、                       そこをメリットとして導入されるお客様も多くいらっしゃいますが、
パナソニックのファイバレーザマーカは唯一のランニングコストの電気代までも抑えることができるんですね。

【関連商品:パナソニック FAYbレーザマーカ最新機種 LP-RVシリーズ】

LP-RV商品ページへ

 

発振原理!ファイバ発振方式について解説!!

上記のとおり、発振原理の違いにより、ファイバーレーザマーカが経済的にも環境的にも優れることをご理解いただけたかと思います。

さて、YAGレーザとかYVO4レーザをお耳にしたことはございますでしょうか?
これはレーザ光を作り出す発振方式の名称です。
ファイバ発振方式は、YAG発振方式やYVO4発振方式とほとんど同じ波長(1,060~1,070nm)の光を出す発振方式です。

一番初めにできたのがYAG発振方式なので、3つともまとめてYAGレーザとかYAG波長と
括られることが多いんですね。

じゃあ、YAG、YV04、ファイバって何が違うの?という話なのですが
発振方式、すなわちレーザ光の作り方が違う、ということになります。

そして、この発振方式の違いが、今回のテーマである消費電力の違いに繋がってきます。
かなりマニアックな話になりますが、図解を交えて解説していければと思います。


YAG/YVO4発振方式について
まずは、YAG発振方式やYV04発振方式について解説です。じつはYAG発振方式やYVO4発振方式は、同じような構造をしています。
レーザダイオードの光を結晶に当てて、光を変換するのですが、その結晶がYAG結晶を使うか

YV04結晶を使うかの違いで呼び方が変わります。
ちなみに、読み方はYAGは「ヤグ」、YVO4は「ワイブイオーフォー」と読みます。

YVO発振方式の違い

YAG発振方式やYVO4発振方式のレーザ光が生成されるまでの流れを見ていきましょう。
図の中心より少し下に1つ大きなLD(レーザダイオード)があるのがわかります。
このLDがレーザ光の光源となり、LDの光をYAGやYVO4結晶に入れることで、1,060nmの光に波長変換され、
YAG波長のレーザが生成されます。
そして、波長変換された光は2枚のミラー間を何度も反復反射することで増幅していき、そして、照射するという流れになります。

これがYAG発振方式やYVO4発振方式の発振原理です。
細かい解説に入る前に先にファイバ発振方式も見てみましょう。

ファイバ発振方式について
ファイバ発振方式は、その名の通りレーザの増幅に光ファイバの技術を応用した発振方式に
なります。


発振方式の違いファイバ

上記の図を見てわかるようにファイバ発振方式にはLDが複数個使用されています。
複数個のLDから照射された光は1本のファイバケーブルへと収束されていき、ファイバケーブルを通過する中で
光を増幅させ、照射していきます。


ファイバケーブルを通過する中で増幅??


どういうことなんでしょう。ファイバケーブルの断面図を下記しますのでご覧ください。

ファイバ発振構造2

上の図はファイバケーブル断面のイメージ図です。
ファイバケーブルの中には中心部にYAGやYVO4結晶の代わりになるイッテルビウムという物質が添加されています。
ファイバケーブル内に流された光はイッテルビウムを通過することで波長変換されます。
また、ファイバケーブル内で全反射を繰り返すことで、一方向に増幅していき照射されます。

全反射って聞いたことありますか?
光をガラスファイバなどの中に通すと、全反射を繰り返しどこまでも直進していくという現象です。
昔、理科の授業でも習った記憶があるのではないかと思います。
ファイバ発振方式はこの現象を活用し、ミラーで反射させる代わりに、全反射という現象を利用しているんですね。
これがファイバ発振方式の発振原理になります。


ここまでYAG発振方式、YVO4発振方式とファイバ発振方式の発振原理の違いについて解説してきました。
では、この発振方式の違いが、消費電力にどんな影響を与えるでしょうか??
この段階ですでに想像がついている方もいらっしゃるかもしれませんが、
詳しい説明は次章にて解説していきます。

 

ファイバレーザマーカ省エネルギーの秘密

では、発振原理の違いをもう少し深堀していき、ファイバレーザマーカの省エネルギーの
ヒミツを解き明かしていきましょう。

ファイバレーザマーカの省エネルギーのヒミツは大きく分けて3つあります。
もう一度、発振方式の図を載せておきますので、比較しながらご確認ください。
発振方式比較j-1


まずは変換効率が素晴らしい!


ファイバ発振方式の省エネルギーのヒミツの1つ目はエネルギー変換効率の高さにあります。

エネルギー変換効率とは電気からレーザ光を作る際に、どれだけロスなくレーザ光を作れるかの
効率を表したものです。

先ほど、断面図をつかって説明したようにファイバ発振方式はミラーを使用せずにレーザ光を
ファイバに閉じ込めて増幅をかけていきます。
光の逃げ場がない分、非常にロスが少なく変換ができます。

同じ出力のレーザ光を作ろうと思ったときに、変換効率が悪いとロスする分を加味して
高出力のLDを使用する必要があるんです。
YAG発振方式やYVO4発振方式に高出力のLDが使用されているのはそのためです。

『ファイバ発振方式は変換効率が良いので少ない電力で欲しい出力を得られる』と言えます。

自動車でいうところの燃費に近いイメージですね。
私も同じ排気量なら燃費の良い方を選びたくなります。


低出力LDを複数個使用
ファイバ発振方式の省エネルギーのヒミツの2つ目はLDを複数個使用しているということです。
ファイバ発振方式を語る上でも非常に大事なポイントになります。

ファイバ発振方式は光源のLD(レーザーダイオード)を複数個に分けて配置することができます。
YAG発振方式やYVO4発振方式は通常1つの高出力LDを使用しています。
ここで、大きな差が出るのが、『発熱』と『冷却』です。

LDは高出力になればなるほど、発熱が大きくなり、
また熱影響により劣化が進んでいくため、冷却が必要になります。
YAG発振方式やYVO4発振方式は発熱量が大きいため、電子冷却装置などを使用して
LDを冷却し、温度をコントロールする必要があります。

一方ファイバ発振方式は先ほど説明した変換効率の良さもあり、
LDを低出力化できるため、そもそもの発熱量を抑えられます。

さらにそれを複数個に分割しているため、LD1つあたりの
発熱量をかなり抑えることができ、
熱も分散されていきます。

発生する熱量を抑えて分散されることができるため、
パナソニックのファイバ発振方式はファンだけの完全空冷で使用することができます。

・そもそも発生する熱量を抑えられる
・それを分割させること分散させることができる
・電子冷却に頼ることなく温度コントロールができる

クーラーよりも扇風機の方が電気代が安くなるようなイメージで
ファンでの空冷は電子冷却に比べて消費電力が抑えられることが
ファイバ発振方式の省エネルギーに繋がっているんですね。


照射時だけLDを点灯


ファイバ発振方式の省エネルギーのヒミツの最後3つ目は
LDの点灯時間です。

下のイメージ図をご覧ください。

ファイバ長寿命-1
突然ですが、製造装置の中にレーザマーカが搭載されている姿をイメージしてみてください。
製造装置において、レーザマーカは常にレーザ光を照射しているというわけではなく、
製品が搬送されている時間などは、待機しています。

実は、ここにも省エネルギーのヒミツがあります。
YAG発振方式やYVO4発振方式は、ミラー間でレーザ光を増幅してレーザ光を生成するというお話をしました。
これらの方式は、常にミラー間でレーザ光を増幅していないと照射したいときにレーザ光を照射できません。
そのため、装置が稼働している間、常にLDを点灯させて増幅をしています。

一方で、ファイバ発振方式はLD点灯とともにファイバケーブル内を一方向に増幅して行くことが
出来るため、印字する必要があるときだけLDを点灯します。
逆にいうと、印字するタイミング以外はLDを消灯することができるんですね。

待機時はLDを消灯できますし、そこで熱の発生も抑えられます
ここでも省エネルギーに貢献しています。
アイドリングストップに近いようなイメージでしょうか。

近年では、YVO4レーザでも待機中のパワーをセーブするような機能が搭載されている製品がありますが、

それでもトータルでみたときにはファイバ発振方式の消費電力の低さは際立っています。


以上が、ファイバレーザマーカの省エネルギーのヒミツです。

ちなみに、このファイバ発振方式は、省エネルギーだけではなく、
LDが長寿命化できたり、ミラーの光軸ズレのリスクがなかったり、他にもメリットがたくさんたあります。
語り出したら止まらなくなってしまいますので、どこか別の機会に詳しくお話できればと思います。


さて、省エネルギーのヒミツはお解りいただけたでしょうか?
最後に、皆様がもっとも気になる電気代やCO2削減の効果試算についてご紹介していきます。


まとめ

さて、かなり長文になりましたが、ここまでパナソニックのファイバレーザマーカの
省エネルギーの秘密をお伝えしてまいりました。

実は、この環境にもお財布にも優しいファイバレーザを搭載した「ファイバレーザマーカ」は、
今から約20年前に
パナソニック(当時 SUNX株式会社)が世界で初めて発売しました。

以降、パナソニックはファイバレーザマーカにこだわり、追及し続けています。
ファイバ発振方式には寿命、安定性、消費電力など様々なメリットがあるのですが、
中でも、私たちがこのファイバレーザマーカに拘ってきた理由の1つに環境への貢献があります。

そのため、今回のSDGsの流れをうけて弊社製品を注目いただけていることや、
また微力ながらも環境負荷低減と持続可能な成長に向けてお役にたてることを
大変うれしく思っております。

レーザマーキングのご用命がありましたら是非ご相談ください。

 

【関連情報 インクジェットや打刻などの他印字方式からの置き換えご提案に】
・他工法からの改善提案ガイドBOOK

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最終更新日:2024年7月31日

 

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最終更新日:2024年4月2日

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