本記事の対象としている方
・メカニカルリレーから半導体リレーへ置き換え検討している方
・メカニカルリレーと比べた半導体リレーの良さを知りたい方
・メカニカルリレーから半導体リレーへの置き換え事例を知りたい方
パナソニック インダストリーではメカニカルリレー、半導体リレー(PhotoMOSリレー、SSR)の両方をラインアップしておりますが、それぞれ特長が異なります。
今回の記事では
①半導体リレーの方が適しているケース
②メカニカルリレーから置き換える時にどうすれば良いか?
③置き換え事例
上記3点について説明していきます。
また今回の置き換え対象は負荷2A以下を想定しております。
2A以上の制御が可能な半導体リレーもありますので、そちらはまた別途紹介させていただきます。
①半導体リレーの方が適している3つのケース
・スイッチの切り替え回数(開閉回数)が多い
・スイッチを高速で切り替えたい
・スイッチを静音化したい
半導体リレーのスイッチ部は半導体のため、機械的接点をもつメカニカルリレーに比べ長寿命(物理的な開閉がないため劣化しない)、高速(物理的な接点がないため高速)、静音(物理的な接点がないため静音)という特長があります。
そのため、上記の3つの特長がマッチする製品に対して価値提案ができる商品になります。
②メカニカルリレーから置き換える時にどうすれば良いか?
どんな場合でも半導体リレーに置き換え可能!というわけではありません。
メカニカルリレーには無く、半導体リレーにのみある特徴があり、それらを考慮した上で使っていただく必要がございます。
例えば、メカニカルリレーでは負荷電流値、電圧値が定格値を多少超えたとしても、すぐ破壊されることは少ないですが、半導体リレーは一瞬でも定格を超えてしまうと破壊に至ってしまいます。そのため、電流値、電圧値にマージンを見た設計にしていただく必要がございます。
その他にもスイッチ部に半導体を使用しているため、どうしても微小な漏れ電流が生じてしまいます。
※漏れ電流が低いPhotoMOSリレーとしてRFシリーズがございます。
注意事項について詳しくまとめた資料は下記よりダウンロード可能です、ぜひご参照ください。
③置き換え事例
メカニカルリレーから半導体リレーへの置き換え回路例を1つ紹介いたします。
セキュリティ機器、インターフォン等でのサブ電源切替え回路での置き換え
上記は主電源が何らかのトラブルがあり停止してしまった際に、サブ電源に切替えるための回路です。動作が停止してしまうと困るセキュリティ機器等に用いられる事が多いです。
この回路でのリレーは【接点切り替えにより、接続電源をメイン電源からサブ電源に切り替える】役割があります。
この事例で半導体リレーに置き換えることによるメリットは3つあります。
・長寿命化
接点寿命が伸びるため、機器の故障率低下に貢献します。
・高速化
接点動作速度が高速になるため、センサ信号を伝達する速度が速くなり、その結果、主電源からサブ電源へ切り替える時間が速くなりロスの時間が短くなります。
・低消費化
リレーが低消費電力になるため、機器の低消費電力化に貢献します。
シグナルリレーからPhotoMOSリレーへの置き換え回路イメージ
実際に置き換える際は、駆動方式(メカニカルリレーはコイルに電圧を印加することで駆動、PhotoMOSリレーはLEDに電流を流すことで駆動)の違い等ありますので、是非弊社営業担当までお問い合わせください。
また、その他の回路事例(入出力信号処理回路、インターロック回路)について知りたい方は下記資料で確認可能ですので、ぜひダウンロードください。
「PhotoMOS® 」「フォトモス」「PhotoMOSリレー」「フォトモスリレー」はパナソニックホールディングス (株) の商標です