お客様からいただいた質問をもとに、今回はPhotoMOSリレーの接続方法について解説をします。リレーの接続方法はスイッチング時にとても重要な情報ですので、今回の解説をぜひ、回路設計時のリレーの選定の情報としてお役立てください。
質問:PhotoMOSリレー6ピンタイプでは、接続方法にA、B、Cの3つ方法が記載されていますが、どう使い分けるのでしょうか?答え:6ピンタイプについては、接続方法が3タイプあります。接続方法により、制御可能な負荷電流値や、負荷種別が変わってきます。 |
当社では、それぞれ、「A接続」、「B接続」、「C接続」と表現していますが、接続方法により、制御可能な負荷電流や負荷種別が変わってきます。なお、電流容量のみを比較すると、『A < B < C』となるように接続方法によって大きさが変わります。
3タイプの接続方法についてご紹介します。図1をご覧ください。
まず、「A接続」とは図1のAの接続で示しているように、4番端子と6番端子を接続する方法で、最も一般的に使われる接続方法です。特徴として、制御できる負荷電流は他の接続方式に比べ小さくなりますがAC(交流)、DC(直流)いずれの負荷であっても使用できます。
次に「B接続」とは、図1のBの接続で示しているように、4番端子と5番端子もしくは、6番端子と5番端子を接続する方法です。特徴として、B接続はオン抵抗がA接続と比べて小さくなるため、制御できる電流容量がA接続よりも大きくなりますが、DC(直流)負荷専用となります。AC(交流)負荷には適用できません。
最後に、「C接続」とは図1のCの接続で表しているように、短絡させた4番端子、6番端子と5番端子を接続する方法です。特徴としてC接続の場合、内部のMOS-FETが並列に接続されるためPhotoMOSで制御できるオン抵抗がB接続より小さく、電流容量がB接続よりも大きくなりますが、B接続と同様に、DC(直流)負荷専用となり、AC(交流)負荷の制御には使用ができません。
カタログや仕様書には、全ての接続方法での定格を記載していますので、接続方法に応じて確認してください。参考に一例を表1に示します。
まずは表1の上部「絶対最大定格」の赤枠で囲んである「出力の連続負荷電流」ですが、この数値の差はオン抵抗が関係しています。オン抵抗の大きいA接続では連続負荷電流の値は小さくなり、オン抵抗の小さいC接続では大きくなります。またAC(交流)の回路の場合はDC(直流)の回路が最大値なのに対してピーク値で表します。
次に表1の下部「性能概要」の赤枠が「オン抵抗」です。A接続の場合の負荷電流は内部のMOS-FETを2つ直列になる経路を通りますのでオン抵抗は大きく、B接続の場合はMOS-FET1つ分のオン抵抗に、C接続の場合は、2つのMOS-FETの並列接続になるため、オン抵抗は小さくなります。オン抵抗が小さいほど出力側の損失は小さくなるので、連続負荷電流は大きくなります。
いかがでしたでしょうか?今回はPhotoMOSリレーの6ピンタイプの接続方法について解説しました。
出力の用途に応じて接続を使いわけると同時に、接続方法によって使用できる回路とできない回路がありますので、お使いの回路がAC(直流)かDC(交流)であることにも注意をして回路設計を行ってください。
今回のキーワード
- 連続負荷電流:連続負荷電流とは指定された条件下でPhotoMOSリレーの出力端子間に連続して流せる最大電流値のことをいいます。
- オン抵抗:PhotoMOSリレーの出力端子間を導通状態にした時の抵抗をいいます。
- ピーク値:ピーク値とは交流での瞬時値の最大値のことをいいます。