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リレー関連情報

投稿日:2013年01月30日 / 更新日:2023年09月06日

PhotoMOSリレーの動作時間の変動要素

PhotoMOSリレーの動作時間について、外部条件と動作時間の関係を表したグラフを参考に解説します。

お客様からいただいた質問をもとに、PhotoMOSリレーについてわかりやすくご紹介します。今回は、PhotoMOSリレーの動作時間について、2つの外部条件と、それぞれの動作時間の関係を表したグラフを参考に解説。PhotoMOSリレーをお使いになっている環境の確認などに、ぜひお役立てください。

質問:PhotoMOSリレーの動作時間はどれくらいですか?

答え:タイプにより異なりますが、例えば標準的なものとして、GU SOP4pinタイプのAQY212Sでは、最大値2.0ms、平均値0.65msです。また、動作時間が短いものとしては、RF-VSSOP C×R5タイプのAQY221N2TYでは最大値0.2ms、平均値0.01msとなっています。

 

はじめに、PhotoMOSリレーが動作する仕組みについてご説明します。
PhotoMOSリレーは、入力電流によりLED(発光ダイオード)が発光し、その光を光電素子(太陽電池のことです)が受けて発電を行います。発電された電圧でMOSFETのゲートを充電、MOSFETゲート電圧が閾値に達すると、出力端子間がON状態になるという動作をします。この動作にかかる時間は、外部条件によって長くなったり、短くなったりします。

まずは、図1のグラフをご覧ください。LED電流が大きくなると発光強度が増し、光電素子からの出力が大きくなって、MOSFETゲート電圧が閾値まで充電される時間が短くなることにより、動作時間が短くなります。また、温度が高くなるとLEDは発光強度が減少し、光電素子は出力が低下するため、図2のグラフのように動作時間は長くなります。

20130130_1 20130130_2

次に動作時間を短くする方法について説明します。
入力回路にコンデンサを組み合わせることで、動作時瞬間的に大きな電流を流す回路ができ、動作時間を短くすることができます。ただし、LED電流が絶対最大定格を超えないように注意してください。

いかがでしたでしょうか?今回は、PhotoMOSリレーの動作時間について解説しました。このように、PhotoMOSリレーの動作時間は外部環境の影響を受けて変化します。カタログに記載の平均値は、規定の使用条件・環境での値ですので、PhotoMosリレーの動作時間を考える際は、ご使用条件や環境についても考慮してください。



今回のキーワード

  • 入力電流:PhotoMOSリレーでの入力電流とは、LEDの順方向に流す電流のことです。
  • LED:LEDとは順方向に電流を流すと発光する半導体素子です。
  • 光電素子(太陽電池):光電素子とは光エネルギーを直接電力に変換する半導体素子のことです。
  • MOSFET:MOSFETとは「Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor」の略称です。金属(電動体)、酸化膜(絶縁体)、半導体(その中間の性質を持つ物質)を、うまく組み合わせた構造を持つトランジスタです。
  • ゲート:ゲートとはMOSFETの電極の一つです。PhotoMOSリレーの場合、パッケージ内部にあり、外部からは触れられません。
  • ゲート容量:ゲート容量とはMOSFETのゲートにためられる電荷量のことです。
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