なぜセル容量はばらつくのか?
リチウムイオン電池セルは、同じ製造ラインで生産された場合でも、材料や製造工程のわずかな違いにより初期容量に差が生じます。
さらに運用開始後は、
● 温度環境の違い
● セルの個体差
● 使用条件の違い
などによってセルごとの劣化速度が変わります。
その結果、運用期間が長くなるほどセル間の容量差は大きくなっていきます。
特に、大型蓄電システムのように多数のセルを直列接続するシステムでは、その影響が無視できないレベルになる場合があります。
セル容量のばらつきが引き起こす問題とは?
直列接続されたバッテリーパックでは、最も容量の小さいセルがシステム全体の性能を決めてしまいます。
例えば、あるセルだけが他のセルより先に放電下限電圧へ到達した場合、そのセルを保護するためにバッテリーマネジメントシステム(BMS)は放電を停止します。
その結果、他のセルにはまだエネルギーが残っているにもかかわらず、バッテリーパック全体としては放電終了となります。
つまり、
● 利用可能容量の低下
● 稼働時間の減少
● 航続距離の低下
といった課題が発生します。
現在多く採用されているパッシブセルバランス方式では蓄電エネルギーを使い切れず放電容量が低下します。また、セル容量のばらつきが大きくなるほど一部セルにストレスが集中し、さらなる劣化を招く悪循環につながります。
容量ばらつきは経年劣化によってさらに拡大する
セル容量のばらつきは、一度発生すると時間の経過とともにさらに大きくなる傾向があります。
容量の小さいセルは容量の大きいセルよりも充放電の影響を受けやすく、周辺セルよりも早く劣化が進行します。
その結果、
セル容量のばらつきが大きくなる
▼
容量の小さいセルにストレスが集中する
▼
容量の小さいセルの劣化が加速する
というサイクルが発生します。
この状態を放置すると、バッテリーパック全体の寿命が大幅に短くなる可能性があります。
容量ばらつきを抑える方法とは?
従来は、容量の近いセル同士を選別してモジュールを構成したり、充電時にバランス制御を行ったりする方法が採用されてきました。
しかし、セルの経年劣化によって発生する容量ばらつきを完全に防ぐことは困難です。
そこで近年注目されているのが、セル間でエネルギーを移動させながら容量差を補償するアクティブセルバランスです。
アクティブセルバランスを活用することで、容量ばらつきによる影響を抑えながら、バッテリー容量をより有効に活用できる可能性があります。
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セルばらつきを前提に、アクティブセルバランスで蓄電容量を使い切る設計へ。







