FPCへコネクタを表面実装する場合は、パターンやはんだ量だけでなく、コネクタ実装部のカバーレイと接着剤の厚みも確認することが重要です。
特にスタンドオフがないコネクタでは、カバーレイや接着剤が厚くなると端子と銅箔部との距離が大きくなり、プアはんだが発生する可能性があります。
一方で、厚みが増すことで、スクリーン印刷時のはんだ量が多くなり、はんだ過多のリスクも高まります。
FPCを設計するときは、コネクタ下面のカバーレイ・接着剤層をできるだけ薄くするとともに、使用するコネクタの推奨加工図も確認しましょう。
FPCにはさまざまな構造がありますが、基本的には複数の材料を重ねて構成されています。
代表的な構成を下から見ると、次のようになります。
ベース材(ポリイミドなど)
ベース材と銅箔を接着する接着剤
配線パターンとなる銅箔
銅箔とカバーレイを接着する接着剤
配線パターン以外を絶縁・保護するカバーレイ
コネクタを実装する側では、はんだ付けするために銅箔を露出させる部分を除き、銅箔が接着剤とカバーレイで覆われています。
このため、表面実装するコネクタでは、カバーレイと接着剤によって生じる厚みも実装状態に影響します。
ポイントは、コネクタ端子とFPCの銅箔部との位置関係です。
コネクタには、実装面との間に隙間を設ける「スタンドオフ」を持つものがあります。一方、一部の低背コネクタにはスタンドオフがないものもあります。
スタンドオフがないコネクタでは、端子がコネクタの成形部分の底面と同じ高さにあります。その状態でカバーレイや接着剤が厚くなると、端子とはんだ付け先となる銅箔部との距離が大きくなります。
その結果、はんだがつきにくくなり、プアはんだが発生する可能性があります。
また、カバーレイや接着剤が厚くなると、スクリーン印刷時のはんだ量も多くなり、今度ははんだ過多となるリスクが高まります。
つまり、単純にはんだ量を増やせばよいのではなく、FPCの厚み構成とはんだ量の両方を考えて設計することが大切です。
まず、使用するコネクタの構造を確認します。
特にスタンドオフがないコネクタをFPCへ実装するときは、コネクタ下面に位置するカバーレイと接着剤の厚みに注意してください。
カバーレイは、接着剤を含めて30μm程度が一般的な厚みとして示されています。これより厚くなる場合は、コネクタ下面のカバーレイ・接着剤の厚みを見直します。
プアはんだが多く発生している場合には、設計値だけで判断せず、各絶縁層の厚みを実測して確認することも有効です。
はんだ量は、多すぎても少なすぎても実装不良につながる可能性があります。
はんだ量が多すぎると、はんだの這い上がりやはんだブリッジが発生する場合があります。反対に、少なすぎるとプアはんだの原因になります。
パナソニックのコネクタでは、カタログにプリント基板推奨加工図やメタルマスク開口部推奨加工図を掲載しています。FPCの厚み構成とあわせて、使用するコネクタの推奨加工条件を確認してください。
FPCへコネクタを実装するときは、次のポイントを確認します。
使用するコネクタにスタンドオフがあるか
コネクタ下面のカバーレイ・接着剤が厚くなっていないか
プアはんだが発生している場合、絶縁層の厚みを実測したか
使用するコネクタのプリント基板推奨加工図を確認したか
メタルマスク開口部推奨加工図を確認し、はんだ量が適切か
カバーレイ・接着剤の厚みだけで実装状態が決まるわけではありません。FPCの構造、コネクタの構造、パターン、はんだ量をあわせて確認することが重要です。