今回は、FPCにコネクタ実装する際に用いる補強板の設計ポイントについて解説いたします。ポイントをおさえて補強板を設計していただければ、しっかりした実装を実現していただけます。
前回はFPCへコネクタなど小型部品を実装する際の、補強板の必要性について解説いたしました。
では、その補強板はどのように設計すればよいのでしょうか。
ポイントになるのは、適切な硬さ・厚みをもつ仕様にすることです。
補強板には、強度が得やすいステンレス等の金属または、ガラス強化のエポキシやポリイミド樹脂板が最もオススメです。ポリイミド樹脂板をご使用される場合は、繊維屑発生による異物付着にご留意をお願いいたします。あわせて、補強板の設計時には下記にご注意してください。
・できるだけ厚くする(一般的には0.2mm以上がオススメです)
・FPCとの接着に、接着力の強いエポキシ系の接着剤を使用する
ポリイミド樹脂板をご使用される際の更なる硬度確保策として、2枚重ねにする方法もあります。補強板2枚をエポキシ系接着剤で重ねて接着していただければ、同じ厚さ1枚の補強板より高い硬度が得られます。
また、長芯数の場合、FPCの幅が大きくなり、FPC自体がたわみやすくなりますので、補強板の強度をより高めていただく必要があります。
補強板の厚みが十分にとれない場合、フットパターン設計でパターンとFPCの密着強度を上げて、パターン剥離対策をすることもできます。
下図1のように、フットパターンの長さをカバーレイ開口部より長い寸法にしてください。
パターン長さを通常の2倍程度の長さに設定いただければ、フットパターンの銅箔により、補強板の硬度を上げることができます。
また補強板のサイズは、FPC上でコネクタなどの小型部品を実装するエリアの裏側部分のサイズで作成していただくのが基本です。
ただし、コネクタ抜去時またはフレキ基板を曲げた際に、コネクタ端子のはんだ付け部にストレスが作用しないよう、フットパターン先端より、0.5~1.0mmほど補強板を長く設計お願いします。(図2)
いかがでしたでしょうか。今回は補強板の設計についてご紹介いたしました。設計時にぜひご活用ください!