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リレー関連情報

投稿日:2021年12月15日 / 更新日:2024年08月07日

メカニカルリレーの選定方法

メカニカルリレーの選定のポイントについて解説します。

メカニカルリレーを選定したいのですが種類が多いため、選定ができません。
選定のポイントを教えて下さい。

メカニカルリレーは主に1.用途 、2.接点仕様、3.動作機能、4.コイル電圧、5.取り付け方法等によって選択します。
項目ごとに解説をしていきますので選定の参考にしてください。

解説

1.用途
当社のメカニカルリレーは用途によって下記種類に分類されます。
  • パワーリレー
    家電、産業機械などの電源用途に最適な定格制御容量2A以上のリレー
  • シグナルリレー
    信号制御などに最適な定格制御容量2A以下のリレー
  • 安全リレー
    機器の安全回路構築に貢献する安全リレー
  • 高周波リレー
    周波数の高帯域化をサポートする高周波リレー
  • 車載用リレー
    プラグイン・プリント板タイプを品揃えした、車載電装用途向けリレー
  • 高容量遮断リレー
    最大DC1,000V高電圧開閉可能。電流容量300Aまでラインナップ
2.接点仕様
2.1 接点構成
接点構成とは、接点回路の接触機構や接点数のことで1a,1b,2a,2b,1a1b,1c,2cなどがあります。
接点の構造とカタログ表示
a接点
通常は離れています。
(NO接点、常開接点、メイク接点ともいいます。)
b接点
通常は繋がっています。
(NC接点、常閉接点、ブレイク接点ともいいます。)
c接点
a接点とb接点を組み合せたもので、2つの回路の切り替えができます。
(トランスファー接点ともいいます。)
1a1b接点
a接点とb接点の2組の接点を持ち、2つ別々の回路の切り替えができます。
※2a、2cなどの数字部分はその接点数を表します。
2.2 定格制御容量
接点の開閉性能を定める基準となる値で、接点電圧と接点電流の組み合わせで表現します。制御される負荷の電圧、電流がこの定格制御容量以下であることが必要です。
開閉する負荷によって異なるため、カタログには抵抗負荷の値を記載しております。
誘導負荷やコンデンサ負荷など、抵抗負荷以外の場合は、実機による評価が必要になる場合もあります。
負荷の種類については下記記事を参照下さい。
http://ac-blog.panasonic.co.jp/メカニカルリレ-における電気的寿命と機械的寿命の違いは
3.動作機能
動作機能で選択する場合、コイル端子の極性有無によって無極リレーと有極リレーがあります。
また、有極リレーではラッチングタイプを選択できる商品もあります。
コイルの記号とラッチングタイプの特長は以下の通りです。
コイルの記号 黒塗りのコイルは通電状態を示します。ラッチングリレーの場合、結線図はリセット状態で表示されますので、コイル記号もリセットコイル通電された状態で表示されます。
ラッチングタイプの特長
接点ONまたはOFFの状態を自己保持できる為、回路での消費電力を下げることが可能です。
無極、有極の説明はこちらも参照下さい。
パワーリレー無極・有極の違い
4.コイル定格電圧
リレーを動作させるためにコイルに加える電圧のことです。
コイル定格電圧には、AC(交流)タイプとDC(直流)タイプがあり、当社の場合、HEリレーにACタイプのラインアップがあります。
5.取付け方法
リレー本体を取付ける方法は、図3のような方式があります。
一般的にはプリント基板や端子台が使用されますが主な特徴は下記のとおりです。
  • プリント板取付け:プリント基板に直接実装するタイプです。
  • ソケット取付け:金属シャーシを加工してリレー本体の裏面側で結線するタイプです。
  • 端子台取付け:端子台をパネルにDINレールやネジで取り付け、その端子台にリレーをセットします。
  • TM型:リレー本体天面をパネルなどにネジで取り付け、端子側はハンダ付けやリセクタプルで結線するタイプです。

端子台とソケット

上記ポイント以外にも、要求される使用環境によりリレーの保護構造を考慮せねばならない場合など、その他の要求事項によって確認すべきポイントが変わってくることがあります。
カタログや仕様書で、形状や仕様がお客様の使用される条件に合致しているかどうかを確認いただくことがリレー選定において重要になります。

いかがでしたでしょうか。今回はメカニカルリレーの選定について、ポイントを解説いたしました。使用される環境を細かく把握していただくことが、最適なリレーの選定につながります。是非参考にしてください。

 

 

 

 

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