お客様からいただいたご質問をもとに、今回は回路を組む際にオプションとして使用される「 専用電流センサ(CT)」という機器について解説していきます。CTに関する疑問をお抱えの方は、ぜひ理解を深め、回路設計にお役立てください。
質問:電力を計測するエコパワーメータの接続オプションに「 専用電流センサ(CT)」という記載がありますが、これはどういうものでしょうか?答え:「CT」とは「 Current Transformer」の略称で、変流器又は変成器とも呼ばれ、1次電流(大電流)を2次電流(小電流)に変換する機器のことです。 |
大電流を計測する場合には、計器の破損や感電の危険が伴うため、直接計器に配線することができません。そこで、その大電流の値を低い値に変換させて計測を行うために用いられるのがCTです。
次にCTの原理について説明します。
交流の特性により、リング状の鉄心(コア)を貫通する電線(一次側といいます)に電流Iが流れると、巻数nの巻線(二次側といいます)にはI×1/nの電流が流れます。一次側の大きな電流が二次側では1/nに変換された小さな電流として取り出すことができるわけです(この巻き数nのことを変流比とよびます)。JIS(JIS C1731-1)で規定されているCTは二次側電流が5Aもしくは1Aとなっており、また精度も高くなっています。
当社のエコパワ-メータ専用電流センサ(CT)は二次側電流がmAレベルでありJIS適合品ではありませんが原理は同じです。エコパワ-メータ専用電流センサ(CT)の特性に合わせてエコパワ-メータ本体が設計されています。また、CTには、構造上の違いにより「貫通型」と、「分割型」があります。貫通型は電線を中に通す必要があるため、主に新設する際に用いられます。分割型はコア部分が分割できるため、主にすでに設置された電線に対して使用する際に用いられます。
いかがでしたでしょうか?今回はエコパワーメータに接続するオプションとして登場した「CT」という機器について解説しました。略称で表記されていたり、正式名称だけでは用途がわかりにくいかと思いますので、ぜひ参考にして下さい。
今回のキーワード
- 計器:回路設計における計器とは電流を測定し、値として表わす機器のことをいいます。
- 一次側:CTでの一次側とは測定する電線側のことをいいます。
- 二次側:CTでの二次側とは巻線側(計器に接続する側)のことをいいます。